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立派になるとロクなことがない。タモリさんに学ぶ、自然体で生きる方法。

『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのが上手いのか?』を読みました。

タモリさんという人物を通じて、人生を楽に、楽しく生きるための「ひとつの方向性」を書いた本です。

この本を読み終えた時の感想は「僕もこうありたいなぁ。」というものでした。

去年から勉強を始めたアドラー心理学を、まさに実践して生きている人のひとりが「タモリさん」であるように思えたのです。

漠然とこうありたいというイメージだけあるよりも、具体的に「この人のようになりたい」という人がいると、行動がクリアになります。

そういう意味で、僕にとって非常に参考になった一冊となりました。

 
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ストレスが少ない生き方をしたい

「この人のようになりたい」とは言っても、身近でタモリさんを見ているわけではないので、実際に会うと、もしかしたら違うのかもしれません。

なによりタモリさんは変態で有名な人でもありますしね。

なので、厳密に言うと、「こういう面を持った人になりたい」って事なのかもしれません。

なんか微妙な表現ですけれどもね。

表現が曖昧なので、もっと分かりやすく言うと、つまりは「ストレスが少ない生き方をしたい」という事なんです。

人間にとって一番恥ずかしいことは、立派になるということです。僕にダンディズムがあるとすれば、このへんですね。』
タモリさんは、そう考えている。「立派になると、ロクなことがないよ」という教えだ。
偉くなればなったで、いろいろと気苦労が増えるからである。
イギリスでは、上流階級(アッパークラス)の人には、いついかなるときにおいても、紳士としてのマナーが求められるという。ようするに気が抜けなくなるのだ。日本でもそうで、偉くなってくればなってくるほど、あまりハメを外した行動がとりにくくなっていく。

 
この文章は、まさに僕が考えていることを書いてくれています。

僕は少し前まで、「歳をとったら、歳相応の責任をとらなければならない」と思っていました。それが当然の事であり、何も疑うことなくそうなんだと決めつけていました。

でも、最近になって、それは違うのではないかと思うようになってきたんですね。いや、そうじゃないか。「違うのではないか」ではなく、「そんな考え方じゃ辛くなるだけじゃないか。」が本心ですね。

重い責任を背負ったり、気苦労が多くなってくればくるほど、眉間にしわが寄り、しかめっ面になっていくと思うんです。もちろん全員がそうとは言いませんが、少なくとも僕はそうなっていったのです。昔に比べて笑わなくなったし、怒りっぽくなった。

 でも、それでいいの?
 なんのためにそんなに怒ってるの?
 子供たちのため? みんなのため?
 誰からも感謝されるわけじゃないのに、みんなのため?
 それが大人の責任だから?
 そのために、眉間にしわを寄せて怒って、イライラして、嫌な空気をつくってしまってないか?

なんて事を考えるようになったんですね。

立派な人間であろうとしてる人で、楽しそうに生きてる人って見たことないです。少なくとも、僕の周りではそういう人は大抵、辛そうなんですよ。

もっと楽しく生きてもいいんじゃないですかね。

楽しくいる事を最優先に考えれば、タモリさんが言うように「立派になんてなっちゃダメ」というのは、あながち間違ってないと思います。

 

「頑張らない」ことを座右の銘にしろ

先に断っておくと、この本を書いたのはタモリさん本人ではなく、内藤誼人さんという心理学者です。

なので逆に、本人が語るよりもきちんとした理論をもとに整理された内容になってます。

そして、この本の中で、まさに心理学者らしい内容を書いてある部分があります。

「頑張らない」ことを座右の銘にしろ
タモリさんは、いつでも飄々と、自然に生きているように見える。まるで、俗世間から離れて暮らす仙人のように見える。どうしてあれほど気楽でいられるのかというと、簡単な話で、「頑張らない」ようにしているからである。
(中略)
現代は、8人に1人、あるいは5人に1人がうつ病になるといわれる時代だ。なぜ、これほどうつ病に悩む人が大勢いるかというと、「マジメな人が多すぎるから」である。うつ病というのは、マジメで、責任感が強く、何事も放り出せない人がなってしまう病気であることが知られていて、ちゃらんぽらんな人はなりにくい、という特徴がある。

 
僕の周りでも、鬱病を患っている人が何人もいます。

ひどい人は、それが原因で仕事を辞めざるを得ず、辞めた後もずっと引きずってしまっている人もいます。

でも、そうなったとしても会社はアフターフォローをしてくれるわけじゃないんですよ。在籍中はもちろん配慮はありますが、辞めてしまったら何もない。だからこそ、自分の身は自分で守るしかないんです。

 

自然体が一番いい

そして、先程の文章には更に続きがあります。

「自分では普通に仕事をしているだけなのに、気づいたら役職が上がっていた。」
「自分では普通に接しているだけなのに、気づいたら人脈が広がっていた。」
ようするに、自然体でいることが重要であって、何が何でもお金持ちになってやるとか、どんな手段を用いても立派になってやる、などと不遜なことを考えないほうがいいということを覚えておこう。

 
これ、ほんとそのとおりです。

無理をして偉くなっても、そもそも無理をしているわけですから、どこかでしわ寄せがくるんです。その結果、辛くなってくる。

自然体でいることを最優先にしていれば、そんな事は起こりません。

お金があれば自分だけじゃなく、自分の家族も精神的に余裕を持った生活ができますが、そのために自分を犠牲にして辛くなってちゃ悲しすぎます。

  立派にならないと出世できませんか?
  だらしない人でもお金持ちの人って見たことありませんか?
  そういう人に限って、楽しそうにしてたりしませんか?

自然体でいたらお金を稼げないなんてことはありません。誰かの役に立つことを一生懸命してさえいれば、人から必要されます。その結果として、出世したり、仕事をもらえるようになったり、するのですから。

 

教育で人は育たない

立派な人間であろうとする理由って、一番は「周りに規範を示すこと」だと思うんです。

人材育成、人間性育成をしようとして、こういう振る舞いをするべきだ、なんてことを示そうとするから立派になろうとする。

でも、この本では教育についてこんな記述がされています。

もし、「できない」ことも「できる」と思い込んで、努力に努力を重ねている人がいるのだとしたら、それは貴重な人生の時間を浪費しているだけではないか、と考えられなくもない。タモリさんの思考は、こちらの考えに近いといえる。
(中略)
トリンプ・インターナショナル・ジャパンで社長を務めていた吉越浩一郎さんは、著書『デッドライン仕事術』の中で、およそ次のような内容のことを語っている。
「社員教育はムダである。仕事のできない人間がいるなら、できる人間になるように鍛えればいい。ごく自然な発想である。しかし結論からいうと、教育で人間など育たない。多くの企業が一生懸命に社員教育に取り組み、多大なコストと労力を払っているが、まったくのムダだ。ムダなものはムダである。仕事が優秀な人に聞いてみればよい。『あなたはだれかに手取り足取り仕事を教わりましたか?』と。具体的に答えられる人はひとりもいない。私はそんな”仕事のできる人間”を知らない。優秀な人間は、教えられなくとも、自分でやり方を身につけるのである」。

 
すごいことを言ってますね。

去年の僕だったら全力で反論してるところです。

でも、今はそのとおりだと思います。

いくら教えても伝わらない人には伝わらないし、分かる人には何も言わなくても分かるんですよ。

なので、教育のために「無理をして」立派な振る舞いをしようとしているのなら、そんなのやめてもいいんです。

では何もしなくていいのかというと、さすがにそうまでは言い切れません。もしも会社で育成のような事をやるのならば、「仕事のできる人のやりかたを標準化して、みんなができるような仕組みを作る」ほうが合理的です。

子供の教育について考えるなら、また更にちょっと違ってくるかもしれません。

まぁ、この内容は話しだすと本格的に脱線するのでこのくらいにしておきますが。

 

自然体とは言っても、何をしてもいいわけじゃない

タモリさんは、とにかく自然体です。

無理せず、頑張らず、怒らず、常にどんな時でも飄々としています。

でも、そんなタモリさんでも好き勝手になんでもやるわけじゃないんですね。

  • タモリさんは、まるで新人タレントと同じように時間をきっちり守るのである。生放送の番組などでは、1時間も2時間も前にスタジオ入りするのは立派な心がけだといえよう。仕事の時間を守るのは、社会人として最低の礼儀であるといってよい。
  • タモリさんが人に好かれる理由は、他人の悪口を言わないからである。悪口を言われて喜ぶような人はいない。だから、自分も悪口を言わないような人間になろう、とタモリさんは語っているわけであるが、これは心理学的にも正しい。
  • 本書を執筆しるにあたって、タモリさんについて語っている批評記事なども片っぱしから調べたが、不思議なくらい、タモリさんについて悪く言っている人はいないことに気づいた。それもそのはず、タモリさんは人が嫌がるようなことを決してしないからである。たまに、毒を吐いているように見えても、やりすぎるということは絶対にないからであろう。

大事な事はきちんと押さえた上で、自然体で振る舞うことができるからこそ、人から好かれるんでしょうね。いくら自然体がいいと言っても、わがまま放題、好き放題やっていては嫌われますからね。

そして、ここで挙げられている内容は、社会人として守るべき「王道」です。

特に真新しい内容ではなく、誰もが一度くらい聞いたことがあるようなことではないでしょうか。

その王道を自分のスタイルと合わせてピックアップして実践したからこそ、今のタモリさんがあるのだと思います。

 

まとめ的なもの

さて、この本が僕にとって何故とても参考になったか、その理由をざっくりと書いてみました。

この本ではここで引用した以外に、それらを実践するための具体的な方法論まで掘り下げて書いてくれています。もし、「自然体で生きること」に魅力を感じいるのであれば、一度読んでみると非常に参考になると思いますよ。

ただし、こういう生き方って、どこか一部分だけ切り取ってマネても、あまり意味がないんですよね。

例えば、洋風の部屋に和風のテーブルを置いても、浮いてしまって似合いません。

変えるなら、全体を和風にしなければフィットしないんです。

人が変わろうとしても簡単に変われないのは、これが理由なんだと思います。

全体をちょっとずつ和風にしていく。

そのためには、こういった本の他に、アドラー心理学や仏教なども併せて読んでいくと効果的だと思います。

 

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間違いなくオススメなのは、この2冊です

 

 

あとがき

“まよい犬

随分と長い文章になってしまいました。

ですが、こうやっていろいろな本を読んでいると、ひとつひとつが繋がってきて、ようやく少しずつ頭の整理がつきつつあります。

まだ完全とは言えないですが、骨組みくらいは整理できてきたように思えます。

とはいえ、今までとは違った考え方に切り替えるのは、本当に時間がかかるものですね。

というところで今日はここまで。