一人暮らし歴20年以上。プロの一人暮らし、広野です。
部屋を決める時の基準っていろいろあると思います。何度か引っ越しをしていればおおよそ自分の好みが分かるのですが、初めての場合はどこを重視して良いか分からないと思います。
一般的に好物件と言われる条件はありますが、必ずしもそれが良いというわけじゃありません。そういう物件は家賃も高いですしね。
じゃあ、どういう基準で決めればいいのか。
僕の場合をお話しします。
まず覚えておいたほうが良いこと
どんな部屋かを決める前に、一番最初に肝に銘じておいたいほうがよいことがあります。
それは、
自分の希望を100%満たす物件はほとんどない!
賃貸物件というのは、自分でカスタマイズできるわけじゃありません。 最初から決まったかたちでしか存在しません。 オプションで追加料金を払って条件を追加できるわけじゃないので、どうしても自分の希望にそわない部分が出てきます。
なので、完璧を求めすぎてはダメ。 おおよそ6〜8割くらいの満足度で、えいや!と決めないと、いつまで経っても決めることができません。
他の物件を探すといっても、1週間やそこら待ったところで、物件がガラッと変わるわけでもないので、時間をかけて探せばよいというものではないですし。逆に、もたもたしていると、迷っていた部屋も他の人にとられてしまう可能性があります。
どうしても譲れないポイントだけ、2つ、3つ決めて、あとはその時で一番条件が良いものにすると、結果的に良い部屋探しができます。
僕が重視していること、5つ
一般的に良い部屋と言われる条件はどんなものがありますかね? こんな感じでしょうか?
- 駅から近い。
- 窓が南向きで日当たりが良い。
- デザイナーズ物件でオシャレ。
- スーパーやホームセンターが近い。
- 台所が広い。
- 風呂とトイレが別々。
確かにこれらを満たしていれば、そこそこ快適です。
でも、家賃を見てびっくりするわけです。大抵は予算オーバーですから。
あれこれもじゃ家賃だけ高くなるので、ポイントを絞って、そこそこの家賃の物件で抑えるのがベターです。
僕が重視していること
部屋全体の雰囲気
はっきり言って、これにつきます。
何もない部屋を見渡して、レアイウトや色合いがしっくりくること。 感覚的なものでいいですよ。 自分がいいなーと思うかどうか。 毎日暮らす部屋になるわけですから、雰囲気が好みであることが一番大切です。
そして、こればっかりは本人じゃないと分からない。 いくら家族、友人、不動産会社の人が「これはいい!」と言ってもダメなんです。なんとなくでも自分がいいと思わないと。
細かいことは後で微調整できるんですよ。なんとかなります。 多少の不満はあるにしても、どんな物件だって不満は出てくるもの。 逆に、全体の雰囲気が気に食わないと、もうそれだけでテンション下がります。これはだめ。
なんとなーく、フィーリングで、「あ、いいな。」と思うかどうか。
一番大事なのは、ここなんです。
キッチンが独立していること
ひとつ目と少しかぶりますが、僕はこれも重視してます。 一人暮らしだとワンルームでもいいといえばいいのですが、その場合は大抵、キッチンが部屋の隅のほうにあります。 台所周りって結構ごちゃごちゃするので、部屋からすべて見えてしまうと散らかってるように見えるし、スッキリしないんですよね。
なので、間取りはワンルームでななくて、1Kか1DKの物件を選ぶようにしてます。
これだけで部屋の見た目がすっきりして綺麗に見えます。
クローゼットの収納力
見えない収納スペースって大事です。最近は見せる収納もありますが、センスが必要ですから僕などは全然向いてません。 そもそも見えないようにしたほうが簡単なんですよ。
部屋がすっきりしていると、気持ち的に汚しにくいという利点もあります。ごちゃごちゃした部屋だと、まぁいいかとなってしまうところでも、普段からそれなりに綺麗になっていると、少し散らかると気になるものです。このへんの捉え方は実はすごく大事で、同じ人間でもこのちょっとした違いで、部屋が汚くなったり、綺麗になったりします。不思議なものです。
どのくらいの収納スペースがあれば良いかはそれぞれですが、申し訳程度の小さなクローゼットだとちょっと入れただけで満杯になるので、幅は1.5m以上ほしいですね。
2階以上であること
理由は2つ。
1つ目は、プライバシーの面。1階だと場所によっては窓を開けているだけで外を通る人から部屋の中が見えてしまいます。これ最悪なんですよ。人から見られやすい状況ってリラックスできません。だから、1日中カーテンを閉めた状態で過ごしたりしてね。女性の場合は特に覗きの被害もあるかもしれません。
2つ目は、冬の暖かさの面。2階以上だと当然、真下の部屋の暖房のおかげで、床面が少し暖められます。もちろん床暖房とは全然違いますが、1階と比べると、ひんやり感が違います。 僕は北海道なのですが、下の階に誰も住んでいない時は水道が凍結したりしますから見えないところで結構違うんです。1階の場合は一番下ですから、常に下はひんやりしたまま。寒さが厳しい北海道では特に意識している内容です。
シューズボックス
必須まではいかないのですが、結構優先度が高いのがこれ。
靴って収納しようと思うと意外と場所をとるんですよね。例えば、クローゼットに収納しようとするとバカにできないスペースが必要です。会社用、雨用、夏用、冬用、などなど、意外とたくさんあるのが靴。やっぱり専用の収納場所があったほうが助かります。出し入れもしやすいですし。
安い物件だと付いてない部屋も多いので、地味なチェックポイントです。
北海道ならではのこと
車庫
北海道の冬といえば雪。屋根のない青空駐車場だと、雪が降った朝には車の上に雪がてんこ盛りで積もっていて、それを下ろすだけでも一苦労。この一点だけでも車庫のあるなしでは除雪の手間が全然違います。
車庫があれば、車庫前だけささっと除雪して、すぐに出ることができます。本当に全然違うんですよ、これ。車の雪だけじゃなくて、窓も凍らないのもポイントです。
シャッター付きじゃなくて、屋根だけの駐車場でも全然違います。逆に、その都度シャッターを開け閉めしなくてよいという利点もありますね。吹雪いたりするとさすがに車に雪が積もりますけれども。
車庫付きだと、そのぶんの賃料も高くなりますけど、北海道なら価値があると思います。
駐輪場
こちらも冬に重要。
きちんとした駐輪スペースがない物件だと、冬は雪に埋もれてひどいことになります。春になったらサビだらけ。
車庫があればそこに入れておく事ができますが、それができない場合はできるだけきちんとした駐輪場があると助かります。屋根付きがベストですね。
FF灯油暖房
これも冬対策。
今はかなり多くの物件で採用されていますが、安い物件だとまだまだ完備されてない内容。
灯油じゃなくてガスだったりするとガス代がえらいことになりますから、僕は昔、ガスストーブが付いていた部屋でも、灯油のファンヒーターを使っていました。
ただその場合、定期的に換気しないと一酸化炭素中毒になりますから結構危険。灯油も自分で買ってこなければいけません。面倒なんですよねぇ。
FF灯油暖房が付いている部屋でも、部屋内に灯油タンクがある部屋は自分で補充しないといけないので、これもちょっと面倒です。
部屋の暖房は、①FF式で、②灯油で、③補充不要、であるのがベストです。
地味だけれど、注意しておいたほうい良いもの
TVアンテナ&ネット回線の差込口の位置
この位置が、TVやパソコンを置く位置になりますから、結構大事。
それを前提に部屋のレイアウトをイメージしてみて、問題ないかどうか考えておいたほうが良いです。
窓の数
窓が1箇所しかないと、窓を開けても空気が回りません。つまり、夏場は暑いです。
2箇所以上あれば、風が入ってくる場所と、出ていく場所ができますから、風が流れて換気が良くなります。
暑さに敏感な人は注意。
窓の曇りガラス
物件によってはまだ多い曇りガラス。
外から中が見えませんが、逆に中から外も見えません。
爽快感がないというか、外が見えないとなんかどんよりしますから、普通の透明なガラス窓のほうが断然良いです。
冷蔵庫、洗濯機を置く場所
一人暮らし用の部屋だと狭いので、これらは置く場所がほとんど決まってしまっています。そこしか置く場所がない状態。
その場所に置くのを前提として、部屋全体のレイアウトがどうなのか。
冷蔵庫のドアは開けにくくないか。ぶつからないか。
その周辺の収納スペースのドアとぶつからないか。
洗濯物を干す場所と洗濯機の位置関係は使いやすいか。
イメージしておくと良いです。
気にはなるけれど、重視はしないもの
風呂とトイレは別々がいい?
これは一緒でも全然問題ないですよ。
一緒だとちょっとだけ狭い感じがするだけで、一人暮らしなら全然OKです。
毎回必ず湯船に浸かりたいというのであれば使いにくいでしょうが、僕は風呂トイレが一緒の部屋に住んでいた頃はシャワーだけに切り替えました。どうしても湯船に浸かりたい時には銭湯がありますし。
逆に利点なのは、トイレ掃除が凄く楽なこと。シャワーで流しながら掃除ができるのは凄く便利です。
窓は南向きがいい?
これは僕の場合は全然気にしませんね。
南向きだといつも窓から陽射しが入るという事で、夏場は暑くなりやすいですし、どの向きの窓も一長一短なんですよね。
陽射しが直接当たらなくても日中は普通に明るいですし、暗ければ照明を付ければいいですし。
ただ、西向きだけは夕方に嫌な陽射しがさす(いわゆる西日)ので、あまりオススメしません。
木造か鉄骨か
これも一長一短。
鉄骨は頑丈なので地震等に強かったり、防音がしっかりしていたりしますが、反面、家賃が高かったり、変な場所に鉄骨があったりします。
木造は比較的に家賃が安いかわりに、音が響いたり、火事に弱かったり。
でもまぁ、マイホームならまだしも、賃貸ですから、そこまでこだわる必要もないと思います。
木造の生活音も、住んでいるうちにすぐに慣れますよ。
地下鉄駅は近いほうがいい?
もちろん近いほうが便利ですが、そういう部屋は大抵少し高いですよね。
余程歩きたくないなら別ですが、多少の距離ならいい運動になりますし、慣れます。
特に譲れない理由がない限りは、こだわる必要はないと思いますね。
スーパーは近いほうがいい?
歩いてスーパーに行けると確かに便利。
でもこれも必須じゃないです。なければないなりに生活するもんです。
それにすぐ近くにはなくても大抵は自転車か車で行ける距離に何かしらあるものです。
あったほうがいいですけど、重視まではしなくていいですね。
キッチンは広いほうがいい?
初めて一人暮らしをする時に意外と重視されがちがのがキッチン。
一人暮らしを始めたら自炊しようと思う人も多いかもしれません。でも、一人暮らしの料理なんてたかがしれてますので、それほどスペースはいらないんですよね。
特に男の場合、最初はちょっとやるけどすぐに飽きてしまって、半年もしたら全然やらなくなった、なんてよくある話。かくいう僕もそのクチです。
キッチンは、自分でしばらく一人暮らしをしてみて、その上で本当に必要だと思う人だけが重視すればいいと思います。最初から重視する項目じゃありません。
物件探しのちょっとした注意
ほとんどの場合、まずはネットで好みの物件を探してから、そこを管理している不動産会社へ行くと思われます。
この時、オススメしたいのが、ひとつの不動産会社だけで全ての部屋を回ってみるということです。
ネットで検索すると、その部屋の管理会社が記載されていますが、必ずその会社を通さないといけないわけではありません。物件名を言えば、ほとんどの場合は紹介してもらえます。 あちこちの不動産会社へ行くのは手間がかかりますから、一箇所だけで済ませてしまったほうが楽です。
あと、大手じゃない不動産会社の場合、実は落とし穴がある場合があります。 ネット上で掲載されている物件って、実は「客寄せのためのダミー物件」の場合があるんです。実際の家賃よりも安めに表示させておいて、店舗に来たら、その物件は成約済みですので別の物件を紹介します、みたいなことがあるわけです。まずは店に来てもらうためにテクニックのひとつのようなのですが、利用側としては気分悪いですよね。これ、僕は実際に体験しました。 場所が近かったので、試しにこの物件はここで紹介できないか聞いてみたら了解してくれて、問い合わせのために大家さんに連絡したら、そんな条件で掲載はしてないとの事で。過去にもそんな安い家賃で募集したことはないとか。完全に「ダミー物件」だったってことです。そこの管理会社の名前は伏せますが、そういう手を使うところもまだまだ多いようでびっくりでした。 大手ではほとんどないようですが、小さなところだと昔ながらの手法だそうですよ。バレなきゃいいっていうのは、いつかしっぺ返しをくらうと思うんですけれどもね。
まとめ
僕なりの部屋選び基準を書いてみました。
まとめると、こうです。
結局は、重視する条件を2つ3つだけ決めて、あとはあればラッキーくらいな感じで探すのはいいでしょうかね。
優先順位を決めてもいいかもしれません。①家賃、②雰囲気、③屋内駐輪場付き、④FF灯油暖房、とか。
ドンピシャリで希望と合致する部屋はそうそうありませんから、条件を絞るのは結構大事。
ポイントだけ絞って、おおよそ満足できる部屋を見つけて下さい。
後はまぁ、『住めば都』と言いますから。