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パナソニックのフルサイズ「LUMIX S1」を買いたい気持ちを抑えるために冷静に考えてみよう。

とうとう国内発表がありました、パナソニックのフルサイズミラーレス一眼 LUMIX S1/S1R 。

2/1 に海外で発表があってから、2週間ほど遅れての発表ですが、価格の含めて実際に発表があると俄然テンションが上がります。

フルサイズは本体もレンズも価格がとんでもないので、買うつもりはなく、情報だけ漁って楽しもうと思ってはいるのですが、調べれば調べるほど欲しくなってくるという予想通りの展開へ。

お金が捻出できないので買えませんから、この思いをなんとか封じるべく、冷静に状況をまとめようと思います。

 

 

基本スペックの高さ

おさらいになりますが、基本スペックで気になるのは以下。
フルサイズ一眼ですから、スペックは、まぁ高いですよね。そりゃそうです。

気になる基本スペック

  • 5.5段分のポディ内手ぶれ補正
  • フルサイズ初の4K60P動画記録。但し、1.5倍クロップあり(APS-Cサイズ)。
  • 有償で4:2:2 10bit記録、VLog記録。
  • 9,600万画素のハイレゾモード。
  • HLGフォトという、ハイダイナミックレンジ撮影。閲覧にはHSP対応のモニターが必要。
  • 認識AFは、「顔・瞳」「人体」「動物」。
  • XQDカードとSDカード(UHSⅡ)のダブルスロット。
  • 576万ドット(120fps)のEVF。
  • 縦と横の両方に可動する3軸チルト式モニター。
  • 防塵・防滴・耐低温ー10度。
  • 高性能のダストリダクション、SSWF。

 
S1 は動画機ではなく、基本はスチル機のようなので、モニターはチルト式だし、EVFはかなり気合が入っています。

AFについても、G9 PROあたりからかなり良くなってきているようですし、人体認識に加えて、動物認識も付いてきました。 大口径レンズをつけたフルサイズ一眼ならば、コントラストAFはより精度の高いものになると聞きますが、大口径レンズゆえの重量増加によって、速度がマイナスになる影響もあるようです。 開発者インタビューでは、こんなコメントもありました。

相対的にレンズ径が大きくなり、フォーカスレンズも大きくなるので、重量に速度は多少影響を受けます。マイクロフォーサーズよりはAF速度は落ちる可能性はありますが、体感的にはほぼほぼ満足いけるものになると思います。
 
参考:パナソニックのフルサイズカメラは「表現力の覚醒」を目指すのだっ!!=開発者インタビュー - ASCII.JP

 
なかなか難しいものなのですねぇ。でも、センサーに余計なものを付けないコントラストAFは、これから技術の進歩で画質とAF速度を両立できると期待しています。

 

動画性能の再確認

  S1 GH5S GH5
手ぶれ補正 5.5段 5段
AF+MF
認識AF 瞳・顔
人体・動物
瞳・顔 瞳・顔
スロー撮影 FHD180fps FHD240fps FHD180fps
EXテレコン 静止画 最大2.0倍
動画なし
静止画 最大2倍
動画 FHD2.1倍
静止画 最大2倍
動画 FHD2.7倍/4K1.4倍
連続撮影時間 6Kフォト10分
4Kフォト15分
4K60p30分
4K30p無制限
無制限 無制限
Log記録 V-Log V-Log L V-Log L
色味 生命力・生命美 生命力・生命美 記憶色
フォーカス
トランジション
ヒストグラム
ローリングシャッター
歪み補正
カメラ内RAW現像
フォーカス合成
C4K記録
400Mpbs記録
モニター 3軸チルト式 バリアングル バリアングル
4Kクロップ 4K60p時 1.5倍
4K30p なし
なし なし
重量 1017g 660g 725g

 
細かな仕様も発表されましたので、より詳しい比較ができるようなりました。

こうやって比較表にすると、S1 はスチル機とはいえ、意外と動画性能も悪くないのが分かります。公式にも、動画撮影でも満足してもらえるはずだ、みたいなコメントもありましたが、確かにそのとおりです。 細かな機能はGHシリーズが勝りますが、S1 もツボは押さえているので、結構いけそう。

あれ? S1 いいかも?

でも、動画時にテレコンが使えない

と言いつつ、一番気になるのは、デジタルテレコンが動画で使えないことでしょうか。

これ、僕は結構使う機能です。動画撮影は動きながら撮ることが多いですし、画角も24mmクラスから300mm位までは使いたいです。マイクロフォーサーズで言えば、12mm〜150mmくらい。1.4倍のデジタルテレコンが使えれば、12-100mm F4という高倍率ズームひとつあれば、レンズ交換なしでかなりやれるわけです。

Leica 12-60mm F2.8-4.0 でも、GH5で使えばFHD で2.7倍になりますから、162mmまでいけます。ですので、重宝するんですよね、デジタルテレコン。

フルサイズのレンズはただでさえ高価で、おいそれと買えませんから、しばらくは標準ズームである 24-105mm F4 で戦わなければいけないことを考えても、動画時にテレコンなしは、やっぱり痛いなぁという感じ。 このへんは、やっぱりスチル機なんだと思わされます。

 

V-Logということは、14ストップ?

使えるLogフォーマットは、マイクロフォーサーズ用の V-Log L ではなく、V-Log ですから、14stopなのかな? だとすれば、GHシリーズの12stopの4倍の光量を受けることができるわけで、白飛びや黒つぶれが更に抑制できる。フルサイズ、しゅごい.......。

僕は知識も腕もまだまだ全然なのですが、だからこそ、最上級の画質を体験することで違いが分かるようになりたい。自分で見ないと分かりませんもの。またフルサイズを使ったことが一度もないからこそ、そこを通っておきたいのです。 一度体験した上で、やっぱりマイクロフォーサーズがバランスいいよね、と言いたい。

あれ? なんか、買う方向の文面になっている気がする......。

 

GHシリーズ2台体制の素晴らしさ

今僕は、GH5とGH5Sの2台体制で写真と動画を撮っているのですが、これが凄く良い。同じようなカメラを2台使っている人なら分かってもらえると思いますが。

レンズを使い回せることもそうですが、2台あることで、レンズ交換の手間がかなり減らせるのがとても良い。それぞれに異なるレンズを付けておけば、画角のバリエーションが全然違います。しかも、操作性も一緒で迷いがない。

厳密にはちょっとだけ性格の違う2台なので、使い分けはあるのですが、とにかく便利なシステムになっているわけです。

そこに新マウントである S1 が入ってきた場合。

結構、バランスが崩れますよね。

一度に持ち歩けるカメラは、やはり2台がいいところなので、S1 の相棒をGH5 にするか、GH5Sにするか、悩ましくなります。これ結構難しい選択です。

今までは、スチル&手ブレ必要はGH5、動画&夜にはGH5S、という使い分けで、レンズは標準ズームと望遠ズームを持っていき、場合によって入れ変えつつ、両方をバランス良く使っていたのですが、S1 が入ってくるとなると、迷います。単純にGH5 と入れ替えればいいというわけでもなく。

S1 は、スチル&手ブレ&夜 という使い方で、なおかつ、標準ズーム固定になります。それを補完するのは、どっちにすればいいのか。GH5だと夜はキツイし、GH5Sだと手ブレ補正がないので望遠がキツイ(所有の望遠レンズにも手ぶれ補正がないため)。 当然レンズも使いまわせないから、万全を期すならば標準も望遠も持っていくことになりそう。うーん、荷物増える。

明らかに機動力が落ちますよね。まぁそれがフルサイズというものなのでしょうが。

GH5ならば、場合によっては標準ズームを付けておけば、デジタルテレコンも使って 12mm〜162mm(35mm換算 24mm〜324mm)までを、これ1台だけで足りてしまうシーンも多いため、写真もいける、動画もいける、軽い、という超ハイブリッドな使い方ができるのですが、仮にS1 を買ってしまった場合、できるだけ S1 を使って撮らなければ買った意味がありません。でも、どう考えても、GH5ほどのマルチっぷりは出せないので、望遠用や動画用にもう1台が必須になりそう。それってどうなのだろう。

ちょっと冷静になってきました。

 

まとめ:少し発作が収まった

今の2台体制の安定感を考えると、あえてこれを崩す必要性はないわけです。あるのは、より美しい画への憧れと、体験を望むから。

ここで仮に S1 を買ったとしても、来年GH6が発売されたら、また欲しくなるのだろうなと思うと、マイクロフォーサーズに専念してレンズを揃えたほうが良いのだろうなぁ。Leica 10-25mm F1.7 だって、間違いなくいい値段するでしょうし。

最新のフラッグシップ情報を見てしまうと、どうしてもその最高の体験をしてみたくなってしまうのは、カメラを趣味にしている多くの人がかかっている病気なのですが、その発作をどうやって抑えるかは重要なことだと思います。

こうやってブログに書くのも、結構いい方法かもしれません。

冷静に、冷静に。

現実を見るのです。