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パナソニックの「フルサイズS1」と「m4/3 GHシリーズ」の使い分けについて考える。

パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S1/S1R」が発表されて以来、ずっと心をそちらへ引っ張られてしまっている広野です。

先週も検討記事を書いて、それで一旦発作が収まったようにみえたのですが、その後も気づくと S1 の情報を漁る日々。そればかり考えているものですから、ブログに書くこともコレしかないという有様で、困ったものです。

僕の手持ちカメラは、m4/3であるLUMIX GH5、GH5Sの2台で運用しています。同マウントで性格の少し違う2台なので、なかなか使い勝手がよく、気に入っているのですが、仮にここに「LUMIX S1」が入ってきた場合、どうなっていくのか。

先週の記事でも書いたのですが、今回はもう少し突っ込んで、再度考えていきます。

 

 

現在の運用方法

GH5とGH5Sのおおまかな特徴は以下のとおり。

GH5の特徴

  • 5段分のボディ内手ブレ補正が強力。
  • EXテレコンで、動画でも2.7倍のデジタルズームが可能。つまり、12-100 F4なら、12〜270mm(35mm換算で24〜540mm)の驚異的な画角で運用できる。
  • 動画を撮りながら、写真が撮りたい場合でも1台でいける。
  • 6Kフォトが使える。
  • AFがちょっと弱いので、基本はMF。
  • 高感度耐性は低いので、夜はキツイ。

GH5Sの特徴

  • 高感度に強い。GH5より約2段分の優位性。
  • Cinema4K(4096×2160)でも4:2:2 10bit や 60p での記録ができる。
  • 最大240fpsのスロー撮影。GH5は最大180fps。
  • 手ぶれ補正がないので、レンズ側に付いてないと望遠側は厳しい。
  • 動画のEXテレコンは、最大 1.4倍まで。
  • 写真は悪くはないが、有効画素数が1028万画素なので、GH5(2033万画素)より劣る。
  • 6Kフォトがなく、4Kフォトまでしか使えない。

 
これらの特徴を踏まえて、実際の運用としては、

GH5 + M.Zuiko 40-150mm F2.8 (x 1.4テレコン)
GH5S + Lelca 12-60mm F2.8-4.0

の構成で、GH5は望遠担当、GH5Sは広角担当として使っていました。

ただ、最近は動画を撮りながら、且つ写真も撮りたいことが多くなってきたため、

GH5 + Leica 12-60mm F2.8-4.0
GH5S + M.Zuiko 40-150mm F2.8 (x 1.4テレコン) + 三脚

という、かなり重装備状態で運用していました。GH5でサッと写真を撮れるのはいいのですが、三脚が増えるだけで、まぁ重たいです。場合によっては、2台のカメラをプレートに乗せて、三脚にセットするなんてこともやるものですが、移動しながらだとかなり疲れてしまいます。ちょっと、これはどうなんだろうと考えているところです。

これが夜になると、GH5は死ぬものですから、基本はGH5Sのみでレンズ交換しながらになります。これはこれで、レンズ交換が面倒でしんどいのですがね。

 

LUMIX S1 が入ると?

前述した構成に、フルサイズである「LUMIX S1」が入ったとしたら、どうなるでしょうか。

S1 の特徴

  • 約9600万画素相当のハイレゾモード。
  • 高感度に強く夜でもOK。GH5Sの代わりになる?
  • 有効画素数 2,420万画素、広いダイナミックレンジで、写真もOK。GH5の代わりになる?
  • つまり、1台で全部いける?
  • 標準ズームも含めた重量は、1,697g。GH5の935gと比べて、762g重い。且つ、でかい。
  • 優秀な高倍率ズームが、現段階ではない。あったとしても、M.Zuiko 12-100mm F4 ほどのものは、おそらく厳しい。
  • 望遠ズームが発売されるとしても、間違いなく大きくて重く、価格も高い。
  • 動画でのEXテレコンが使えない。
  • 4K60pは、APS-Cサイズにクロップされる。

 
一瞬、GH5とGH5Sのいいとこ取りのようで、1台でいけそうな気もしたのですが、こう整理すると、そういうわけではなく、S1 は S1 なりの長所と短所がきっちりあります。

写真も動画も、昼も夜も、ハイブリッドで使えるカメラですが、EXテレコンやレンズなどのことを考えると、1台での運用は厳しそうです。やはり、サブにもう1台、望遠担当が必要そう。

標準と広角だけなら、かなりハイブリッドに使えそうですけどねぇ。動画だとそういうわけにもいきませんからね。望遠は必須。

 

じゃあ、G9 PROでは?

 
フルサイズほどの描画はないものの、写真も撮りたいならG9 PROというスチルフラッグシップもあります。これも検討してみてもいいのでは?

G9 PROの特徴

  • AFがパナ機最速。人体認識あり。
  • 約8000万画素相当のハイレゾモード。
  • 6Kプリ連写とは別に、通常撮影にもプリ連写機能があり、シャッターを押した前後のRAW記録が可能。GH5やGH5Sにはない。
  • GH5、Gh5Sと同マウントなので、レンズの使い回しができる。
  • EXテレコンは、GH5同様に使える。動画でも最大 2.7倍。
  • 4:2:2 10bit 記録ができない。
  • V-LogL記録ができない。

 
写真も撮るなら G9 PRO でもいいかと思ったのですが、改めて調べてみると、4:2:2 10bit と Log記録が使えないんですね。そりゃそうか、動画機能ですものね。

どちらの機能も映像の階調性に大きく関わる部分で、パナソニック最大の強みが出ている機能です。この階調の豊かさによって、フルサイズ機にも負けない美しい映像が作られますから、ここを削ってまで写真重視は考えないかなぁ。GH5でもそこそこ撮れますし。

もちろん、G9 PROはいいカメラだし、GHシリーズにはない良さがありますが、GH5&GH5S持ちの状態で3台体制する、もしくはどちらかと入れ替えるとなると、自分のニーズとは違う気がしました。

 

全体の整理

  S1 GH5 GH5S G9
ダイナミックレンジ
手ブレ補正
高感度
画素数
動画時テレコン
10bit
レンズサイズ
AF
重量
プリ連写
ハイレゾ
色味

 
魅力的な特徴を「⚫」、残念な特徴を「❌」で表現してみました。

こうやって見ると、やっぱり S1 は、重くて、システム的にも取り回しが悪いのが難点。(まぁ、フルサイズだから当たり前なのですが。)

個人的には、S1 にプリ連写がないのがちょっとした残念点。スチル向けなのだから、欲しかった。(6Kフォトの機能として、6Kプリ連写はありますが、これはRAW記録できませんので、この件とは別扱いです。)

G9 PROは、スチル機としてはいいのですが、動画とのハイブリッド運用を考えると、やっぱりちょっと役不足。

うーん。

GH5 & GH5S での運用が、やっぱり良さそうだとは思うのですが、四の五の言わずに「使ってみたいから買う!」とやってみたいものです。フルサイズの美しい画で撮るという事は、数字では語れない部分もあるでしょうから。

でも、今回はさすがに高すぎです。

お金足りない庶民には、それができんのです。

 

にしても、

1台にすべてが入ったオールインワンなカメラは、なかなかないものです。というか、メーカー側はあえてそうしているのかも?と思う部分があります。1台で済まないほうが、買ってもらえますし。

少し尖ったスペックにしないと、特徴を出しづらいというのもあるのかもしれません。ユーザー側としては、悩ましい限りですけれども。

あぁ、悩ましい、悩ましい。

はっきりした結論は出ませんでしたが、今のままでもうしばらくやってみようかなぁと思ってはいます。急に気が変わらない限りは......。