とうとう発表されました、パナソニックのフルサイズミラーレス一眼「LUMIX S1/S1R」。
凄いスペックですねぇ。事前にリークがありましたが、改めて発表を聞くと、初めて出すフルサイズでここまで盛り盛りの機能なのは、素晴らしいの一言。 ニコン、キヤノンから数ヶ月遅れて最後発の発売となりますが、堂々たるスペックです。
そして、僕の愛機はパナソニックですから、初物を語らないわけにはいきません。
現在、GH5、GH5Sの2台を使っているユーザー目線で、S1/S1R の印象を書こうと思います。
初物とは思えないフルサイズ機
おおよそのスペックは、
パナソニックらしい、妥協のないてんこ盛りです。
ボディ内手ぶれ補正、防塵防滴耐低温、動体認識AF、ハイレゾモード、ダブルカードスロットなどなど。最低限欲しい機能は全部はいっている感じ。
まず目につくのは、1億8700万画素のハイレゾモードです。とうとう1億を超えてきますか。ここまで凄いと一般人には見分けがつかないかも。 用紙サイズでいうと、B0サイズ( 1030mm × 1456mm )で 12165px × 17197px(約2億画素)ですから、ポスターでもカリカリの画になるレベルということです。見てみたい.......。
ボディ内手ブレ補正は、今や搭載されていないと買うのを躊躇してしまうくらいに浸透してしまった悪魔の機能ですが、それもしっかり積んでおります。これがあると、単焦点レンズの使い勝手が格段に上がりますのでね。 ただでさえレンズがでかいフルサイズにこそ欲しい機能かもしれません。とはいっても、最初は50mm F1.4しかないのですが。シグマから発売に合わせて新レンズが出るのかな。出してほしいですね。
EVFは驚異の576万ドット。パナソニックはいつもEVFに気合が入っていて、GH5でも368万ドットあります。動画機なのに.....。今回はそれを更に大幅アップしてきて576万ですって。どんな見え方をするのだろう。実機を見てみたい。
G9で評判が良かった人体認識AFも更にパワーアップして、動物にも対応されるようです。これはS1Rだけの機能なのかな? まだちょっと不明なところがありますが。コントラストAFに拘っているパナソニックとしては、認識AFは結構重要なポイントになりそうですよね。
気になるといえば、すでに多くの声があるように、連射性能でしょうか。追従AFで6コマ/秒はちょっと控えめのスペック。α7Ⅲだと10コマ/秒、EOS Rだと8コマ/秒ですし。
動画性能について
GHシリーズ持ちの僕としては、やはり動画性能も気になります。というか、むしろそっちのほうが気になります。
動画に強いパナソニックらしく、しっかりとツボは押さえてきてます。
4K60pは、今後スチル機でも標準になると思いますので、珍しいわけではないかな。
FHD180fpsのスロー撮影ができる点は、さすがパナソニック。他社だったら120fps止まりだと思います。
Logと10bitを別途オプションにしてきたのは、懸命な選択だと思います。スチルユーザーには不要ですものね。
さて、ここまではさすがのパナソニッククオリティなのですが、動画機として考えた場合、大いに気になるところが2つ。
1つは、ボディサイズがかなり大きいこと。GHシリーズと比べてももちろんですが、他社のミラーレスと比べても、更に一回り大きくて重いです。バッテリーも入れると1kg超えるようです。
一眼で動画を撮ろうとした場合、ジンバルに乗せることも多いのですが、このサイズだと結構キツそうな印象。重量はまだしも、縦も横の大きいので、ジンバルのプレートに乗せるとバランスがとれなかったり、どこかが干渉したりしそうです。 まぁ、実際にどうなるかはわからないのですが、かなり不安はあります。それを考えると、フルサイズでも小型のソニーαシリーズはやはり強いなぁと感じます。ジンバルに乗せず、三脚メインであれば気にすることもないのでしょうが。
もう1つは、レンズの少なさ。
新しくリリースされたばかりなので、当然なのですが、やはりこれはネックです。
フルサイズのメリットといえば、当然ながら、センサーサイズが大きいことによる高感度性能と、ダイナミックレンジの広さですが、高感度性能という点では、GH5Sという暗所番長がいます。これに、F値の小さな明るいレンズを付ければ、高感度面では現状困らないように感じます。S1にF4レンズを付けるのと、GH5SにF1.4レンズを付けるのと、どちらが美しく撮れるかと考えると、この比較であれば、むしろGH5Sのほうが動画は美しく撮れるのかなぁとか。
安直な比較ですが、フルサイズとマイクロフォーサーズで2段分の差があるとすれば、GH5Sは低画素とデュアルISOで2段分強いですから、これでプラスマイナスゼロ。加えて、レンズは F4 vs F1.4なら3段分の差がありますから、暗所ノイズについては、3段分くらいはGH5Sが勝っているのではないかとか。 まぁ、高画素からのオーバーサンプリングやダイナミックレンジの違いもあるでしょうから、一概には言えないかもしれませんが、今あえて、フルサイズを買い足すのは、値段ほどの意味はないのかもしれないな、とか。
もちろんこれは動画目線、且つ夜撮影目線ですから、スチル撮影を目的とした場合は違ってくると思います。もしくは、F1.4クラスの明るい広角レンズが出てくればね。(シグマから2019年中に14本のレンズが出るそうなので、そこに何本かは明るいレンズも入ってるかもしれませんが。)
というか、これらの観点からすると、S1 も S1R も、パナソニックとしては、どちらもスチル機としてリリースしているのかなぁと想像します。
まとめ:欲しいけど.....
動画機としては、現状はレンズラインナップも含めてGH5Sのほうが優秀だとは思うのですが、それはそれとして、普通にスチル機としてとても欲しいです。パナソニックの使い易さは一度体験してしまうと、中毒性がありますから。
それに、ボディもそうですけど、レンズ性能も実は凄いんですよね。
▼単焦点レンズ LUMIX S PRO 50mm F1.4 の解像は、変態クラスですし。
パナ、本気出しすぎワロタw https://t.co/jkdcQAlMLS
— 広野ヨウ@Lightroom再勉強中 (@mayoinu) 2019年2月1日
▼S 24-105mm F4 Macro OIS は、標準ズームのくせにマクロ付きですし。
「最短撮影距離は0.3mで、最大撮影倍率は0.5倍」←標準ズームの数値じゃないのだが。パナさんの本気。https://t.co/jfn0qqTBAD
— 広野ヨウ@Lightroom再勉強中 (@mayoinu) 2019年2月1日
さて、問題は買うかどうか。正直、財布がかなりカツカツなので、買うべきではないのですが.......。これを買うなら、10-25mm F1.7は我慢しなければならない。フルサイズ用レンズも一本じゃ足りないでしょうし、どう考えても行くべきではない気が。
今回は情報だけ漁って、他の方々の作品などを眺めて、我慢するのが無難なのだろうなぁ。
そのうち、ソニーに対抗して、S1S とか出してくるのでしょうか。もしその時が来るとすれば......パナソニックが本気でフルサイズで動画機を出してくるのだとすれば、GH5Sを上回る、本当にとんでもないカメラになりそうな気はしています。
その時は、ローン組んででも買いそうです。