NUMA。
誰がいつからそう呼んだんでしょうね。
簡単に言うと、沼とは、「好きすぎて、抜け出せないくらいにどんどん深みにハマっていくこと」。
一般的にはカメラ趣味の分野で使われるワードだと思ってましたが、最近ではそうでもないんでしょうか。
僕にカメラ沼に入ったクチですが、その種類を整理しつつ、沼というものについてちょっと考えてみました。
今日はそんな雑談です。
カメラ沼の種類
カメラを趣味にしている人なら分かると思いますが、ひとくちにカメラ沼と言っても、更に細かく分かれております。
1種類じゃないんですよね。
レンズ沼
一番メジャーなもの。
最初はキットレンズや、安価なズームレンズを使っていたものの、カメラ雑誌などを見て美しい写真を見ていると、そのレンズじゃなければ撮れない写真があったして、どんどんいろんなレンズが欲しくなる。
購入にも段階があって、最初は3〜5万円くらいのレンズを長期間悩みながら購入したりするが、どうしても欲しいレンズは10万円を超えていたりする。清水の舞台から飛び降りる気持ちで高価レンズを買うと、そこから金銭感覚が狂いだし、10万円を超えても検討を始めてしまう。
一番恐ろしい沼。
単焦点レンズ沼
レンズ沼の更に進化版。
単焦点レンズは当然ズームができないので、いろいろなシチュエーションに対応させようとすると、その範囲に応じてレンズの本数も必要になる。
更に、ここに落ちる人は画質にもかなりこだわりが強い傾向になるので、同じ画角でも色収差、モアレ、逆光耐性、歪み、等の描画性能や、明るいF値を求めて、どんどん高いレンズが欲しくなる。
高レベルユーザー向け。
ボディ沼
僕が落ちた沼。
レンズではなく、各メーカーのカメラ本体を買い漁る。
ここに落ちる人は、新型が出るたびにそのスペックを、本がすり減るくらい読み倒し、ほんの少しの差にロマンを感じて、これじゃなきゃダメだという理由を作り出す傾向がある。
カメラ本体を変えると、当然レンズも買わなければならず、コスト的には一番かさむ沼。そのため、買っては売っての繰り返しとなってしまう。
メーカー沼
ボディ沼の進化版。
ボディそのものの性能よりも、メーカーへの愛が強くなり、そのメーカーが出す機体が全て欲しくなる沼。
ひとつのメーカーでも、高級コンデジ、ライトユーザー向け、ハイアマチュア向け等、バリエーションがあるので、全部揃えようとするとかなりの支出なる。
バッグ沼
カメラとレンズの収納するカメラバッグの沼。
本気撮りでとにかくどんなシチュエーションにも対応するためには、当然レンズもたくさん必要だし、予備カメラも必要。当然、バッグも大きなものじゃないと入らない。
逆に、長距離移動の時には荷物はなるべくコンパクトにしたい。カメラもレンズも厳選して必要最低限のみ。そのためにはバッグも小さいものが必要。
大は小を兼ねると言うが、カメラバッグに関しては当てはまらない。荷物を軽くしたのに、バッグがでかくては機動性が落ちて意味がない。その時にジャストフィットするサイズじゃないとダメなのだ。
ある意味、一番終わりがない沼かもしれない。
ファルター沼
レンズ用フィルターの沼。
色にこだわる人はPLファイルター。動画をやる人はNDフィルターをよく使う印象。
後付けで取り付けるので、画質への影響もある。目的は満たすけど、色味が若干変わるなど、どのフィルターを使うかは意外と深い。可変フィルターも入ってくると更に悩ましい。
三脚沼
使用する三脚の沼。
本気撮りには必須のアイテムのため、撮影ではどれを使うかでいつも悩ましい。
軽くて携帯性の良いものか、重くても安定性の高いものか、特殊なギミックがあるものか、などなど。
一番はやはり軽量なタイプをどれにするかが悩ましいか。雲台やクイックシュー等も含めると、更に分岐があってややこしい。
ソフト沼
写真や映像の編集ソフトの沼。
本格的にやると必要になるRAW現像。ちょっとしたレタッチで使う加工ソフト。
Adobeが一番有名だが、最近のソフトはパッケージではなく、クラウドによる月額課金制のため、一度購入すればOKではなく毎月固定で費用が発生してしまう。
一度使い始めると、それなしでは不都合を感じてしまうため、泣く泣く毎月払うはめになる。やめるという決断がなかなかできない。
沼の正体
思いつくままにざっと書いてみましたが、結構ありますね、カメラ沼。
で、書いてて思ったのですが。
どの沼にも共通することがあるなぁ、と。
それは、
「これだけあれば全部OKという万能なものがなく、長所があれば必ず短所もあること。」
レンズなんかは一番分かりやすいですよね。 例えば、標準ズームは一番使う画角で使いやすいという長所はあるけど、超広角や望遠は撮れないし、厳密な画質では単焦点より劣ったり。これ1本だけ持っていれば何も必要ないってレンズは1本もありません。
カメラ本体もそう。
ソニーは小型化やセンサーは超ハイレベルだけど、熱問題やバッテリーの保ちが悪かったり、パナソニックは動画性能は抜群だけど、AFが弱かったり、富士フイルムは色味が最高だけど、動画性能は一歩遅れてるし、良いレンズはでかくて重かったり。
長所と短所がはっきりしてるってことは、用途ごとに使い分けが必要ってことです。長所をいかすような使い方をしようと思ったら、そのシーンに合った物が必要ということです。
そして、撮影においては、そういったシーンのバリエーションがもの凄く多いんですよね。
だから、より広範囲なシーンに対応しようと思ったら、そのために必要なアイテムも、そのシーンの数に応じて用意しておかなきゃいけない。 あれもこれも必要になってくるわけですね。
これこそが、沼の正体でもあり、楽しさでもあるのだと思います。
本当に全部入りのものがあったら、つまらないじゃないですか。このカメラとこのレンズが1つずつあれば全部に対応できるよってのが、もしもあったとしたら。
仕事で使うには凄く便利かもしれないけれど、「楽しさ」という意味では一気に落ちてしまうと思います。
楽しさって、限定された状態で、ああでもない、こうでもないって試行錯誤しながらやってみて、それが上手くいった時に感じたりするものなので、その不自由さが大事なんですよね。
ゲームでも、最初から最強の装備があったらツマラナイです。不完全で不自由な状態でそれを工夫で補うからこそ面白い。
完全を目指して進むんですけど、完全になっちゃうとつまらない。
不思議なもんですね。
あとがき
カメラ沼って、ほんとにお金がかかります。
大抵は高いんだものなぁ。
もともとメカが好きだし、最新技術に対する憧れもあったりして、カメラにどっぷりハマってしまいましたが。
ハマれるって、やっぱり楽しいんですよね。
お金の使い道として、「楽しむこと」っていうのは、まっとうな使い方だと思いますので。
そう信じて、沼を楽しんでいこうと思います。
(やり過ぎだけは注意せねば.......。)
今週のお題「私の沼」