僕が一番使っているカメラといえば、いまや iPhoneです。
スマホはいつでも携帯しているので、撮ろうと思った時には必ず手元にあるし、性能も随分良くなりましたから光の多い場所ならば十分な写真が撮れます。
でもしかし、iPhoneでは物足りなく感じる被写体のひとつに「料理写真」があります。僕のライフワークみたいなものなのですが。
実は料理って、綺麗に撮るためにはカメラもそれなりの性能が必要になります。外食する場合、店舗によって光の具合が様々なことに加えて、盛り付けの彩りを再現するためには階調表現も求められますので。
iPhoneでもダメじゃないですが、ちょっと物足りない。
となると、そのためのカメラも欲しくなってくるわけでして。
今日はそんな雑談です。
iPhoneへのちょっとした不満
iPhoneのカメラはとてもよく写るようになりました。 iPhone5を使っていた頃は、iPhoneで料理を撮ること自体ありえなかったのですが、iPhone7を使うようになってからは、これでもいいかも?と思える写真をつくってくれます。
でも、iPhone7で料理を撮り続けていると、徐々に物足りなさも感じるようになりまして。
一番は階調表現で、白や赤のグラデーションがイマイチ表現されず、色がつぶれてしまうのです。特に白に関しては、露出を上げて明るく撮ることの多い料理写真においては結構重要です。
上の写真は iPhoneXで撮ったものですが、紅しょうがの赤がとんでしまっています。こういうのは目についてしまうと気になって、地味にガッカリしてしまいます。
コンデジへのちょっとした不満
iPhoneが物足りなければ、コンデジで撮ればいい。ということで、カメラを持ち歩ける場合にはコンデジで撮るようにしています。
いまメインで使っているコンデジは Panasonic LX100 です。いくつか渡り歩いて、これに落ち着いております。マイクロフォーサーズのコンデジなので、1型センサー以上によく撮れますし、携帯性も悪くありません。
画質に関しては、これで十分で、iPhoneで感じるような「階調がちょっと足りないな.....。」という不満はあまりなく、RAW現像すれば明るく綺麗に撮れます。
画質は文句がないのですが、こちらはこちらで「使い勝手」に少しだけ不満がありまして。
ひとつは「電源ON/OFFの遅さ」。LX100はズームレンズなので電源を入れるとレンズがビョ〜ンと伸びるのですが、このせいでスイッチをONにしてから撮影できるようになるまでに少し時間がかかります。同じく、電源OFFの時も時間がかかります。つまり、パッと撮って、サッとしまうことができません。ほんとにちょっとした時間なのですが、地味に嫌なポイントです。
もうひとつは、「RAW現像の手間」。料理は明るくしたほうが美味しそうに見えます。でも単純に露出を上げればいいというわけではありません。全体を明るくすると色がとびますから。なので、RAW現像して、トーンカーブを使って中間色だけ明るくしています。これがちょっと手間。撮った後に、すべての写真をやる必要がありますのでね。
あと、寄れすぎちゃうので、写真にカメラ本体の影が入ることがあるのも気になるといえば気になる点です。
そんなこんなで、
画質に関しては良いのだけれど、もうちょっと便利に使えないかなぁという思いがあるのです。
コンデジを買い替えたが
では、別のカメラを使ってみようかと、買ってみたのが「富士フイルム X70」。
APS-Cの単焦点コンデジというモンスターカメラで、画質も操作性もバツグンでした。
何より、LX100の不満点であった「起動の遅さ」がありません。単焦点レンズですからレンズが伸びることもなく、起動したらすぐに写せるし、撮り終わったらすぐしまえます。
こりゃいいカメラだ!と思って、使っていたのですが、しばらく使っていると、また別の問題が。
「好みの色が出ない.....。」
いや、正確には「料理に関して、好みの色が出ない。」です。
風景や普段のスナップに関しては、むしろ素晴らしい色味で写せます。こちらは逆に好みの色味でした。そこは嘘偽りなく、心からそう思います。
ですが、僕のメイン被写体は料理。この色が好みとは違うことが多く、困ってしまったわけです。ホワイトバランスで色温度を変えても、なにかしっくりこない。カスタムで色温度を自由設定できますが、いろいろいじって調整してもやっぱりイマイチ。というか、カスタム設定ではそもそも、様々なシーンに対応できません。光の具合はその場所によって違いますから、その度に調整なんてしてられません。
写真において、一番重要なのは、撮った写真が満足いくものかどうかです。操作性が良いだけではダメ。
そういう経緯で、料理撮影メインの僕は、LX100へ戻ったのでした。
その他のコンデジの選択肢
Canon Powershot G1X MarkⅢ
つい最近発売された APS-Cコンデジ。
最新機種だけあってスペック的には素晴らしい。「ズームあり」「5軸手ぶれ補正あり」「防塵防滴」などなど。
でも致命的だったのが「寄れない」。店頭で実機を触ってきましたが、本当に寄れない。料理撮影では寄ってとるのは必須なので、ここまで寄れないと選択肢には入りません。一応2倍のデジタルテレコンがあるけれど、RAW撮影できなくなるのでダメ。そもそも「ズームレンズ」なので起動も時間かかる点もマイナス。
RICHO GRシリーズ
色味が好みではないのと、AFに不満あり。
SONY RXシリーズ
1型センサーの描写に不満あり。そうであれば、マイクロフォーサーズのLX100のままでいい。
カメラ内RAW現像ができないのも嫌。
ミラーレスでもいいのでは?
料理撮影においては、携帯性が非常に重要なので、候補はコンデジを考えていたのですが、ミラーレス一眼の中にもコンデジサイズの機種はあります。
コンデジに選択肢がないのであれば、ミラーレスもありなのか? と。
例えば、オリンパスの「OM-D E-M10 MarkⅡ」あたりなら、値段もこなれてきてないか? PENシリーズでもいいのかも?
気になって店舗に実機を確認しに行ったところ、ボディのサイズ感は確かにコンデジをそれほど変わらない。使うのは単焦点レンズだけだし、レンズの厚みもそれほどでもない。
実際、カメラポーチに入れてみたが、すっぽり入る。
しかも、オリンパスのカメラには「ハイライト/シャドー」という機能があり、撮影する段階でトーンカーブの設定ができてしまう。つまり、RAW現像してトーンカーブをいじる必要もなさそう。
これでいけるか?
と思ったのも、つかの間。
レンズ交換式の単焦点レンズは、基本寄れない......。寄れないと料理撮影には使えない.....。デジタルテレコンという逃げ道もあるにはあるが、画質を下げてまでこのカメラで撮る必要があるのかという疑問。それだったら、今持ってるLX100で撮ればいいんじゃないの?という話。
コンパクトサイズで寄れるレンズって、レンズ一体型のコンデジだからこそできる芸当なのでしょうね。
携帯性は諦めて、E-M1 MarkⅡ という選択
画質と使い勝手の両方を求めるならば、小さなポーチへ入れる携帯性は諦めて、素直に高スペック機を使えばいいじゃないかという考え方。
OM-D E-M1 MarkⅡ に、M.Zuiko 12-40 F2.8 PRO あたりを付ければ、画質も十分な上、ちゃんと寄れるし、問題なさそう?
と思うでしょ?
それがそうでもない。
携帯性については、まぁ諦めはつくというか、小さなカメラバッグに入れればいいので問題ないのですが、問題はやっぱりカメラ自体のサイズです。
外食するような店舗で料理を撮影する時、ミラーレス一眼クラスのカメラだと威圧感が凄いんです。おおげさすぎる。取材か何かで本格的に撮ろうというわけじゃないんです。ただ食べに来ただけなのに、ごついカメラって違和感が凄い。
テーブル席はもちろん、カウンターに置くとすぐ隣りに人がいるわけで、そこでごついカメラを取り出して撮影を始める勇気は、自分にはない。
やっぱりね、コンデジがギリギリなんです。ちょこっと置いておくにはね。コンデジですら違和感あるケースも少なくないですから、そうなるとスマホしか選択肢はなくなるわけですが。
ということで、外食料理撮影ではコンデジしかないのです。
いつまでもコンデジ難民
最近はずっとこんな事を考えながら、思考がぐるぐるしているのですが。
現状では多少の不満はあるものの、Panasonic LX100というのが僕のベターなのかもしれません。
コンデジ市場はスマホに食われてしまっているので、各社あまり積極的に新型を出さないですよね。切ない。
富士フイルムもX80の話が消えてしまった感あるし、パナソニックもLX200の話は全然出てこないし。
頼みの綱だったキャノンも、発売されたG1X MarkⅢはがっかり仕様だったし。
自分が求めるスペックがニッチすぎるのでしょうかねぇ。
マイクロフォーサーズ以上のセンサーサイズで、寄れる24mm単焦点でF2.8くらいあれば満足なのですがねぇ。
そう考えると X70が惜しかったなぁ。色味が(好みの)料理向けじゃなかったのが痛恨だったけど、それ以外は本当にいいカメラ。ホワイトバランスの具合が変われば、まだいけるのだろうか。
フジとパナの共同開発でコンデジ出さないかなぁ......。