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中小企業が副業を認める時代はくるのだろうか問題。

僕のようにサラリーマンをやりながら、ブログで多少の収入を得ていると、どうしても考えてしまうのは副業について。

いま現在、多くの会社では副業を認めていません。就業規則で明言しているところもあれば、していなくとも実質禁止の状態であったり。

今年の1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公開し、国としては奨励する方向に動き始めたとはいえ、そもそもそのことを知っている経営者はどのくらいいるのかも疑問です。 少なくとも、僕の務める会社の経営陣は誰も知りませんでした。

参考

 
このあたりの事を、自分の頭の整理も含めてつらつらと書いてみようと思います。
特に結論もあるわけではない雑談記事です。

 
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企業側のメリットは

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厚生労働省ガイドラインには、企業側のメリットとしてこのように書かれています。

メリット:
① 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
② 労働者の自律性・自主性を促すことができる。
③ 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
④ 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。

 
これだけ見てしまうと、経営者側が考え方を変えるにはちょっと弱い。
僕が今まで接してきた経営者だと、こんな感じの見解でしょうか。

① 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
→知識やスキルは社内でも得られるだろう。外へ行く必要はない。

② 労働者の自律性・自主性を促すことができる。
→労働者に自立性などいらない。会社が求めることをやってもらえれば、それに対する報酬を支払うだけだ。

③ 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
→辞めていく人間はしょうがない。去るものは追わない。

④ 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
→労働者に余計に力をつけられては困る。ほどほどでいい。人脈は社長である私が一番であるべきだ。(本音)

 
大企業だとまた違うのかもしれませんけれど。 僕が今まで勤めてきたような50人未満の中小企業だと、社員に自立性があるとかえってトラブルの原因になることが多かったといいますか、「経営者は余計なことするな」ってなりがちですし、社員は「こうすればもっと良くなるのに、なぜ許可しないんだ」ってなりがち。

(あくまで僕の見てきた)経営者は、自分が直接興味のあることには、とても拘ってものすごい熱意を見せますが、そうじゃないものについてはびっくりするくらい無関心で、且つ、興味のある内容はリアルタイムにコロコロ変わっていきます。会社にとってプラスになるような内容であっても、今その瞬間、興味を持っていなければ、採用されないことが多い印象です。

ちょっと話がそれましたが。

つまり、社員の自立性だとか、見識を広げるだとか、そういう類の内容は中小企業においては逆にあまり好まれないのではないかと。

だとすれば、企業側のメリットは「③人材流出」くらいでしょうかね。

これについては、社員側としては、思うところはあります。 優秀なのに、育児が忙しくて辞めざるを得なかった人、残業をしない(できない)のが原因で辞めた人、もっと稼ぎたいといって辞めていった人など。

特に本人に働きたい意思があるのに、雇用形態と折り合いがつかずに辞めたケースを見ていますので、もう少し融通がきかないものかと常々感じている次第です。経営者側としても、残念だとは思いつつも、一人だけ特別扱いするわけにはいかないとか、この一人のために就業規則を変えるわけにはいかないとか、中小企業なりの苦悩もあるようですが。

 

企業側のデメリット

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厚生労働省ガイドラインには、企業側の留意点としてこのように書かれています。

留意点:
① 必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である。

 
禁止したがる一番の理由は「職務専念」の部分でしょうか。給与を支払っているのだから、他の事に気を取られずに自社の仕事に集中してもらわないと困るという考え方。 やらなければならない仕事をこなしてさえいれば、その他は自由ではあるのですが、中小企業においては大抵の場合、仕事量と時間はアンバランスであり、時間以上の仕事があるのが現状です。サービス残業だって、いまだに普通に存在しますし。

ネットが普及した現在では、「秘密保持」も大きいかもしれません。別の職場で、雑談まじりで話した内容が思わぬ結果を招いたしまうこともあるかも。

あと、経営者の友人にも質問してみたところ、「社会保険などの固定費がかかる」点も言っていました。どれだけ働こうが固定費がかかるのだから、長く働いてもらったほうが効率が良いと。 確かに10時間働くにしても、二人で5時間ずつよりも、一人で10時間のほうが固定費が一人分で済むので安上がりです。まぁ、これは人の健康面などを一切考慮しない単純計算ではありますが。

 

まとめのようなもの

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こうやって考えていくと、やはり企業側はあえて副業を奨励する理由は薄いのですよね。

「副業自由の働きやすい会社」という聞こえはいいですが、副業奨励によるメリットがもっと明確に結果で分かるくらいでなければ、禁止していたものを承認するまではいきにくいのだと思います。

でもやはり、僕個人としては、やはり副業OKが当たり前になる状態になってほしい思いがあります。

ここ数十年間、常々感じるのは、一生懸命に仕事をしてもいまいち報われないという思いでして、これは今の日本全体にある問題に感じています。安い給料で過剰なサービスを求められるという。

これではやってられないので、僕はブログを始めて、今では多少の収入もあります。そして、こういった「趣味を含めた活動」のウエイトを、もう少し増やしたいという思いがあるわけです。

もっと具体的に言うと、メインの会社には週4勤務しつつ、残りの3日では趣味寄りの活動をしたいです。会社3日、趣味4日でもいいです。(趣味を活かしてフリーランスになれば会社に務める必要もないという意見もあると思いますが、そこまで広げられる力は自分にはありません。)

僕は実は、以前に勤めていたい会社で、これを実現しようと試みたことがありました。まずは自分が持っている仕事をとにかく自動化(プログラムによるもの)し、時間の余裕を作った上で、会社に出勤しなくても仕事ができるように、クラウドサービスを利用したり、マニュアルを作成したり、自分の仕事情報が誰でも分かるように共有化したり、いろいろやった上で会社に週4勤務を打診してみました。

結果は、まぁ予想どおり、決裂に終わりまして、なんだかんだあって僕はその1年後にそこを退社しています。

会社の仕組みとして特例は承認できないのは理由として正当ですし、そこをどうこう言うつもりはないのですが、副業OKも含めた新しい働き方を中小企業が受け入れるためには、副業がもっと一般的になって浸透していかなければ難しいのでしょうね。卵が先か、鶏が先か、みたいな話ですが。

まぁ、大した結論もなにもないのですが。

個人的には、厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によって、少しずつでも変わっていかないものかと思う次第でございます。