先日行って来た帯広市の勝毎花火大会ですが、人気の花火大会だけあって、観覧スポットの争奪戦がすごいんですよ。
花火大会はどこもそうなのですけれども。
僕の場合は、映像撮影という目的がありますから、ただ見れればいいというわけでもなく、どう見えるかなども重要になってきます。
今回は、別の用事もあって、前日から泊まりで行ったこともあり、前日のうちにいろいろ下見ができました。 その結果、一応は希望の場所で撮影ができたわけですが。
いろいろ思うところがあるので、場所取りの価値についての考えを書いてみます。
周辺マップ
事前にいろいろ調べたところによると、周辺で撮影スポットとなりそうなのは、このへん。
それぞれ、順番に解説していきます。
①一般開放席
一番シンプルなスポット。
ただし、すぐ専用駐車場などはないので、車で行くとすれば、少し離れた場所に設けられている無料駐車場に停めて、そこからシャトルバス(有料)で来る必要があります。
一般開放席は2度利用しましたが、15〜16時くらいに着けば、まぁそこそこ場所を選べます。
それと、僕が来る時は毎回、風上でしたので、花火が上がった後の煙にあまり邪魔されずに撮影できました。意外と大事なポイントです。風の向きはいつも同じわけではないのでしょうが、3回来て、3回ともそうなので、ある程度の傾向はあるように感じます。
加えて、花火との間に障害物は何もないので、ほとんどの花火を楽しむことができます。(有料観覧席用の花火は小さくしか見えませんが......。)
ただし、ちょっと辛いのは、帰りがめちゃくちゃ混みます。しょうがないとは言え、覚悟はしておいたほうがいいです。 一番奥側の一般開放席Bだと、シャトルバス乗り場に着くまでに30分〜1時間近くかかります。その後、シャトルバスに乗って駐車場まで15分くらい。そこから高速のインターチェンジまでもそこそこ混雑します。高速に乗ってしまえば、あとはそれほどでもありませんが、長蛇の列にはないっているので、普段ほどのスピードでは進みません。
▲純粋に花火を楽しむには一番いい場所だと思います。
▲帰りの混雑は覚悟しておいたほうがいい。
②河川敷(東)
一般開放席以外の場所で、最初に目星をつけた場所。
川を挟んで対岸なので、水面に花火が写り込んだら綺麗かも!と思って来てみたのですが。
なんと悲しいことに、河川敷と川の間には木が並んでおり、川は一切見えません。なんということでしょう。
花火のすぐ近くなので、単に見るだけならば迫力のある花火を見られます。
一般開放席との違いは、出店やトイレなどが近くにありません。その点でちょっと不便ではあるのですが、だからこそ、一般開放席より比較的空いてることが多いようです。シャトルバス乗り場からも結構歩きますからね。そこが許容できれば、良い場所かと。
▲橋のすぐ東側には「日の出広場」という場所があり、ここからなら?とも思いましたが、やっぱり木が邪魔でした。
③河川敷(西)
こちらは橋を越えて、西側の河川敷。
花火は橋越しに見えることになるのですが、撮影という観点では、むしろアクセントになっていいかもしれない、と思った場所です。
ただ、風下になりやすいとすれば、煙には悩まされそうかなぁとも感じました。
こちらも西側同様、出店、トイレがないぶん、比較的空いてるようです。
④鈴蘭公園
今回、最終的に僕が撮影したのは、こちら。十勝大橋の北西にある鈴蘭公園です。
公園の南側には高台があり、そこから十勝大橋あたりを撮ることができます。
打ち上げ場所からそれほど離れていないので、花火もそれなりに大きく見ることができます。 会場で流れている放送や音楽は、ほとんど聞こえません。(何かかかっているなぁ、という程度。)
人も比較的少なく、それなりにゆったりと見られますが、なぜ人が少ないかというと、駐車場に停められる台数が少ないからです。 このへんには有料駐車場などもありませんから、駐車場所の確保は激戦状態です。前日からキャンピングカーで陣取ってる人もたくさんいますので。
そこまでやって場所確保できるのであれば、車からもすぐ近いし、よいかもしれませんが。
ただ、今回撮影してみて感じましたが、ここは観覧スポットではなく、やっぱり撮影スポットだと思います。
なぜかというと、
こんな感じで、花火が木で隠れて見えにくくなってしまうから。
勝毎花火大会は、打ち上げられる場所が結構横に広くて、十勝大橋から離れたところで上がる花火を多いのです。
なにより、グランドフィナーレも同様に左側が隠れて見えません。
これは僕としてもかなり誤算でした。
かなり早めに来て場所を確保していた家族連れの方も、全然見えなくて、失敗したー、失敗したー、と連呼されてました。まぁ、そうでしょうねぇ。半分くらい見えませんから。
閲覧目的なら、ここは選ばない方がいいです。
では、撮影スポットとしては、まぁギリギリOKでしょうか。
花火だけじゃなく、夜景もそれなりに入れながら撮れますから、すべての花火が見えないとしても、いくつかは狙ったものが撮れます。
あとは、現地入り時間をかなり早くする必要があるので、それを許容できるかどうか。 僕も初回だからがんばったけど、2回目にまたここで撮るかというと、どうだろう。考えてしまうな。
▲シートだけ敷いておくような場所取りは禁止です。
▲それでもいるんですけどね、こういうことする人は.....。
▲公園内でのキャンプも禁止。テントを張ってると見回りの人の注意されます。
▲公園内には普通にリスがいました。警戒心が強いので、望遠レンズがないと撮影はキツイ。
⑤札内ガーデン温泉
ちょっと離れてますが、候補はもうひとつありました。
温泉施設なのですが、勝毎花火大会の日だけは屋上の展望室を無料開放しているとの事で、一応候補地に入れておいた場所です。
ただ、ここは打ち上げ場所から約3.5km離れているので、肉眼で見るには向いてません。
例をあげるなら、札幌だと「藻岩山の展望台」から中島公園近くの「幌平橋」付近までと同じくらいの距離。 少し前に、道新花火大会をそこから見ましたが、かなり小さかった。400mmの望遠ズームレンズでそこそこまともに見れるくらいなので、肉眼ではかなり小さいです。
こちらが現地。前日の夜に下見に来てみました。
駐車場も広いし、温泉もあるし、他の場所が撮れなかったらここでもいいかなぁと思っていたのですが......。
「混雑により、シャワーが冷たくなっています」との事。
これ、調べたら、毎年この状態になるようです。
施設の能力を超える人が来てしまうということなのでしょうが............これはちょっとキツイなぁ。
まぁとりあえず、下見だしと思い、展望室へ入れないか聞いてみたのですが、花火大会当日しか開放していないらしくダメでした。
一度くらい撮ってみたい気もしますが........。
▲藻岩山から撮った道新花火大会。距離が3.5kmだと、120mm(35mm換算)でも、このくらいの小ささ。
場所取りについての結論
今回は前日からいろいろ下見して撮影場所を探してみたのですが。
感想としては、
勝毎花火大会に関しては、
「見る」のが目的なら、絶対に普通の一般開放席がいいです!
なぜならば、
1.経験上、すべて風上なので、煙が邪魔しにくい。
2.MCによる放送や、音楽が聞ける。
3.ドーン!という、腹に響く衝撃が味わえる。
4.近いから、花火がでかい。
帰りはちょっと混むけど、それはしょうがない。
「撮影」が目的ならば、どんな画が撮りたいかによって変わりますが、今回の場所(鈴蘭公園)に関して言えば、「めちゃくちゃ早めの現地入り時間(12時間前)」に対して「撮れる画」がちょっと物足りなかったので、割に合わなかったかなぁという印象。グランドフィナーレは見切れたし。
「海辺で花火が水面に反射する」とか「街を見下ろしながら絶景夜景がある」とか、もう少し別の要素があれば、また違うかもしれませんが。
なので、撮影目的なら有料観覧席のチケットを買って、素直に間近で花火だけを撮るのが一番正解ですね。超広角の単焦点で。
▼ちなみに、今回撮影した映像はこちら。