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OM-D E-M1Xに思うこと。オリンパスのブレない姿勢がかっこいい。

昨年から各社がフルサイズ参戦にしのぎを削っている中、ずっと沈黙を守っていたオリンパスが満を持して発表した『OM-D E-M1X』。すごいカメラを出して来ましたね。

僕は一時期、OM-D E-M1 Mark2を使っていましたが、AFは爆速、手ブレ補正は6.5段、コンパクト、見た目カッコイイと、スチル機としてはほぼ完成形だと思っていました。

が、更に上の性能を搭載してきたことに驚きです。Mark2 から Mark3 へ、といったマイナーチェンジじゃなくて、フルモデルチェンジですからね。

そして、スペックももちろん凄いのですが、僕が一番感じたことは、オリンパスの揺るぎない拘りとカッコよさでした。

 

 

オリンパスの凄さ

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僕がE-M1Xに対して、凄いカメラだと思う点は、もともとオリンパスの強みだった機能に対して、更に磨きをかけてきたところです。

  • 手ブレ補正機能: 最大6.5段分 → 最大7.5段分
  • 防塵・防滴: ずぶ濡れでも大丈夫(動作保証はIPX1で変化なしだが、実質それ以上はありそう)
  • ダストリダクション: ゴミが写りこむ可能性を従来の1/10にまで低減

 
E-M1 Mark2の発表時では、6.5段分以上の手ぶれ補正はもう無理と言っていました。それを更に1段分超えてきたわけです。これは「なんだよ、無理じゃなかったんじゃないか。嘘つき。」という言葉で片付けていいことではなく、もう無理と言えるほどにギリギリまでやりきった事に対して、諦めずに更に限界を超えてみせた、という事だと思います。

言葉にすると簡単ですけど、とんでもないことだと思います。

防塵・防滴にしても、動画を見る限り、もはや水中でもいけるんじゃないかというくらいの性能です。

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ダストリダクションに至っては、従来の1/10ですよ? オリンパスのダストリダクションは、もともと本当に定評がありました。YouTuberのジェットダイスケ氏も常々称賛していて、外でどんなにレンズ交換しても安心感があるという話をおっしゃっていました。 僕がE-M1 Mark2を使っていた時も、ダスト処理なんてやったためしがなかったものなぁ。地味だけど、凄いんですよ、オリンパスのダストリダクション。

動画を見ると、もう笑うしかないですから、ぜひ見て下さい。

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スチル機としてのブレのなさ

各社が動画にも力を入れてきている中で、オリンパスはあくまで「写真を撮るカメラ」にとことん拘っているように感じます。

E-M1Xが縦グリ一体型になったのは、とても分かりやすい。動画には縦グリは不要なんですよ。縦長の画は、今の映像界ではほとんど見ません。あるとすればスマホくらいです。

縦グリ一体型にしたことに対して、「マイクロフォーサーズのコンパクトさをダメにしている」なんて声も聞こえますが、いやいや、なにをおっしゃいますやら。コンパクトなカメラを望むならば、E-M1 Mark2 があるじゃないですか。

E-M1Xは、普段から縦グリを装着して、がっつり撮りたい人向けに、更なる高性能を実現するために、一体型にしたのだと思います。取り外しができない一体型だからこそ、TruePic VIIIを2基搭載してモンスタースペックを手に入れられたのではないかと想像します。

一体型と取り外し型の差については、僕はLX100というコンデジで体験しています。 LX100はレンズ交換ができないカメラですが、付いているレンズが化物レンズでして、24~75mm F1.7~2.8 という標準ズームレンズでありながら、最短撮影距離3cmとなっています。こんな標準ズームレンズは交換式では絶対にありえません。一体型だからこそ実現したスペックのはず。「取り外しができること」は便利ではありますが、目に見えないところで犠牲になっているものも多いのだと思います。

で、E-M1Xですよ。

システムがコンパクトであることのメリットは、当然オリンパスだって分かっているはずで、そこをあえて一体型にして大きくしてきたのは、スチル機としての自信と拘りに感じます。「うちはスチルに拘って、これからもそこを更に磨いていきますよ」という意思表示に感じ取れます。

オリンパスのこういう姿勢を見ると、まだまだマイクロフォーサーズもやっていけるという気にさせてくれます。

いや、もちろん、僕自身もマイクロフォーサーズユーザーですし、今後も使っていくつもりですし、10-25 F1.7 も買う気満々ですから、まだまだマイクロフォーサーズは素晴らしいマウントだと思っているのですが、去年からフルサイズが話題の中心になっていますし、なによりメーカーの目線がそっちにばかりいってしまっては、どれだけユーザーがマイクロフォーサーズがいいと言っても、どうにもならなくなりますから。

コンパクトなシステムがいいなら E-M1 Mark2、更なる高性能を求めるなら E-M1X。

いいじゃないですか。

レンズ資産はそのまま、いろいろなスタイルで撮影できるなんて最高じゃないですか。

ひとつのマウントで、ここまで様々なスタイルに対応できるのって、マイクロフォーサーズの良さだと思うんですよね。コンデジクラスのカメラもあれば、E-M1Xみたいなごついのもあるという。

凄いと思います。

 

あとがき:これからもMFTには期待

去年、パナソニックがフルサイズへの参入を発表しましたが、オリンパスは何も動かず、ずっと静観していました。動けばいいというものでもありませんが、他社が新しいことをやっている時に、その横でじっとしていられるのは、なかなかキモが座っているなぁ、と。

下手に手を広げずに、マイクロフォーサーズだけに注力するのはもちろんひとつの選択ですし、パナソニックのように8Kまで見据えて、今のうちからフルサイズに参入しておくのもひとつの選択です。

最近はカメラの世界にも AI が入ってきていますから、撮像素子だけで勝負する世界でもないかもしれません。デュアルISO を搭載したGH5S は、フルサイズのα7SⅡとも戦える高感度性能も持っています。

高画素、高画質ばかり注目するとどうしてもフルサイズにいきがちですが、技術が進化すればするほど、むしろマイクロフォーサーズやAPS-C のほうが優位になってくる面もあるのではないかと思います。

あぁ、はやく Lelca 10-22mm F1.7 の詳細発表されないかな。