初めての皆既月食撮影でいろいろ失敗した話。夜の映像は難しいぜい.......。
2018年1月31日は皆既月食だったわけですが、カメラを趣味としている皆様は撮られましたでしょうか。
僕は今回初めて挑戦してみました。
が、
なんかいろいろ残念な結果になってしまいました。
まずは結果から御覧ください
うーん、なんとも言えず、とても中途半端な出来.........。全然撮れずに大失敗とまでいかないけど、美しい映像とは程遠い。
月が白い時はまだマシなのですが、肝心の「赤い月」が画質が荒く、ザラザラ状態。
思っていた以上に画質が悪くて、編集作業もテンションが上がらず、ただ連続した映像をつなげて、すぐにやめてしまいました。
ぐぬぬぬ......。
なんでこんなことになってしまったのか。
自分なりに整理してみました.......。
反省その1
動画で撮ってしまった。
元も子もないですが、やっぱりこれが一番大きい気がします。
動画にすると何が悪いかというと、画質が荒くなります。 4Kで撮っても800万画素程度しかありません。写真にすれば2,000万画素で撮れたのに。
超望遠レンズであればまだいいのですが、僕のレンズは中望遠なので、後から編集で切り取って拡大することになるのに、800万画素程度じゃ画質が荒くなってあたりまえ。
そもそも、動画で撮ったって、そのままの再生速度で見ることなんてしません。対して変わりばえもしない月の映像を、2時間ずっと見る人なんてあまりいませんよねぇ。
どうせ編集で早送りすることになるならば、写真で撮ってタイムラプスでいいんだよなぁ。
反省その2
画角なりの構図にしなかった。
今回使用したレンズの画角はマイクロフォーサーズの150mmで、それに1.4倍テレコンを付けて撮影しました。35mm換算で420mm。
これは月をアップで撮るにはちょっと物足りない画角。模様などを鮮明に移すなら800mmくらいほしいですかね。
でも、そのレンズで下手にアップで撮ろうとして、月だけを追いかけてしまいました。
420mmくらいなら、無理せずにテレコンを付けないで、周りの風景も入れながら撮ったほうが良い画になった気がしてます。
今回は、初めてだったし、練習だし、と思って、部屋の窓から撮りましたからね。風景もクソもないわけです。
それほど寒い思いはしないで済みましたが、画としてはやっぱり残念としか言いようがない状態に。
手間を惜しむと、こうなるよなぁ。
反省その3
動画で「長時間」撮ったこと。
短時間ならそれほどでもなかったのですが、長時間撮るものじゃなかった。 しかも、下手に高画質にしようと、4K30pで且つ、4:4:2 10bitという大容量形式を選んでしまったことが追い打ちだったと感じています。
皆既月食は、月のカケが始まってから月食が完全に終わるまで3〜4時間かかります。そんな長丁場の撮影を4K 10bitで撮ろうなんて浅はかすぎました。ファイル容量がとんどもない量になってしまったわけです。
一応は1本撮りにせずに、15分くらいずつに分けて撮影しましたが、10bitデータだと、1ファイルあたり約20GBになります。これを合計で9本ですから、180GBほどになりました。
しかも、映像やる方なら分かると思いますが、10bitデータって編集ソフトで普通には読み込めないんですよね。「最適化」とか「プロキシ編集」とか、動作が軽いファイルへ変換してからじゃないとまともにプレビューすらできません。
んで、この変換にかかる時間がとんでもなかった。1ファイルあたり約70分。僕の貧弱なマシンでは、9ファイル全部変換するには10時間半かかります。ですので、2ファイル変換した時点でもう心が折れまして。
4K30p 10bitの15分動画をトランスコードするのに、70分かかった......。同じくらいのファイルがあと8個ある.......マジか。くじけそう(´;Д;`)
— 広野ヨウ (@mayoinu) 2018年2月1日
しかも、
ハードディスクに保存する容量が180GB必要なばかりではなく、編集ソフトに読み込んだら更に180GB、最適化に変換した分で更に100GBくらい?(正確に分からないのでてきとうですが)、ブロキシにも変換したら更に50GBくらい?といったように、動画編集しようと思ったら3倍くらいの容量が必要になってくる。
気づいたら、ハードディスクがパンクしてたよね.....。
ってなもんで、上の動画で使ったのは、撮った9カットのうち、最初の2カットのみで、残り7カットは一切使わずに捨てることにしました。切ない.......。
しまいには、別のもので代替して遊ぶ始末.....。
#iPhoneX でもここまで撮れる! #皆既月食 #実はいちごゼリー pic.twitter.com/ZO7PgJGjgV
— 広野ヨウ (@mayoinu) 2018年1月31日
反省その4
ちょっと専門的な内容ですが、Logで撮ってしまったためにノイズがひどくなってしまったようにも思えます。
(このへんはまだ勉強中なので、間違っている部分もあるかもしれません。間違ってたら誰か指摘してください。)
Log形式というのは階調表現に優れていて、色飛びがしにくいという特徴があります。グラデーションが滑らかになるイメージ。
ですが、その半面、暗部ノイズが出やすくもなるようで。
月の色合いをよりくっきりと表現できればと思ってLog形式を選んだのですが、暗い状況での撮影ですから、スタンダードで撮ってカラグレせず、ノイズを少しでも抑えたほうが良かったのではないかと思っています。
ノイズがひどく出ちゃったら、階調もクソもないですからねぇ。マイクロフォーサーズのカメラで、もともと高感度は強くないので、もっと意識しないといけなかった。
普段からもっと夜の撮影をやって、ノイズ処理も含めて経験していかないとダメなのかなぁ、とか。
反省その5
タイムラプスで撮るべきだった。
いや、正確には、2台体制で撮っていて、もう1台はタイムラプスで撮ってたんです。 ただ、望遠レンズは動画用に使っていたもので、タイムラプスは標準域のレンズで撮るしかなく、月も小さい状態でしか撮れませんでした。
こちらは合計で3時間くらい撮ってたかな。
一応は繋げたものは、こうなりました。
タイムラプス撮ったけど、難しいわー。 #皆既月食 pic.twitter.com/wTClytVgGx
— 広野ヨウ (@mayoinu) 2018年1月31日
これもパッとしない出来で、とても不完全燃焼。
望遠レンズのほうで撮っておけば、もう少しマシな見栄えになったのではないかなぁ。
とは言いつつ、望遠になると今度は月の移動で画面外に出ていってしまったりするでしょうから、広角と望遠の2台体制が良いのではないかと思いました。
反省その6
フォーカスが、なんかもうよく分からなかった。
夜の撮影はオートフォーカスがききませんから、マニュアルフォーカスでやる(らしい)のですが、慣れてないので、フォーカスがどこに合ってるのかいまいち分からず、「このへん?」という大雑把な合わせ方しかできませんでした。
光が強いところは、フォーカスが合ってないとボワーっとボケるのですが、どこで合ってるのかよくわからん。
いいの、これで? 正解が分からん。という状態で撮ってました。
昼間ならピーキング表示させれば分かりやすいのですが、星とか月は勝手が違うようで.......。
もうちょっと普段から星空撮影くらい練習しておかないとダメですかね。
最後に
高感度に強いα7SⅡや、最近発売されたGH5Sなら腕のない僕でも今回よりマシにはなるのでしょうが、もっとそれ以前に、いま所有しているGH5でも工夫次第でもっと良くなるはずですよね。マイクロフォーサーズでも綺麗に撮っている人は見かけますから。
やっぱり、もうちょっと、おぉ!って思われるような美しい写真なり映像なりを撮りたいなぁ。
何が足りないのでしょうかね。
光の調整が下手すぎる?
撮影モードが悪い?
フォーカスが合ってない?
ノイズリダクションをしていないから?
誰か........夜の映像を綺麗に撮るコツを教えてくだされ.........。