カメラを趣味としています。特に動画撮影。
ひと昔前は、動画撮影といえばハンディカムが主流だったのですが、最近は一眼カメラで撮影する人が増えてきました。
なぜならば、ボケ味を活かすなどして、より美しい映像が撮れるからです。
でも、カメラと言えば、一般的にはまだまだ「写真を撮るもの」じゃないですか。実際に今現在、市販されているカメラも、基本は写真を撮ることをメインとした機能となっています。
ここでひとつ言っておきたいのは、「写真を撮るための機能」と「動画を撮るための機能」は同じようで実は違いがあるということです。
事実、僕が持っているカメラは「オリンパスのOM-D E-M1 MarkⅡ」と「パナソニックのLUMIX GH5」がありますが、動画撮影においては絶対にGH5を使います。絶対にです。
これは別にGH5のほうがいいカメラだとかいう話ではなく、単純に向き不向きの話で、E-M1 MarkⅡ は写真向きに作られていて、GH5は動画向きに作られているだけのこと。
では、何が違うのか。
動画撮影に必要な機能は、どのようなものがあるのか。
そのあたりを書いていこうと思います。
(書き出し時にはサラッと書こうと思っていたのですが、かなり長文になってしまったことを先に書いておきます)
動画用の手ぶれ補正
一番重要な機能。 というか、この機能に関しては、多くの方が大事だと想像がつくと思います。
でもこの手ぶれ補正については、静止画と動画で違いがあります。
何が違うかを説明する前に、手ぶれ補正の中身についてちょっと話します。
最近の主流は「5軸手ぶれ補正」と言われるものです。この5軸ってなんでしょうか。つまりは、次の5パターンに関して補正を行うということです。
Yaw(ヨー)とPich(ピッチ)
角度に対する補正です。
Yawが横、Pichが縦です。
例えば、カメラを構えてその場から動かずに左を向くと、並行方向の角度だけ変わりますね。これがYawです。
同様に、その場から動かずに上を向くと、垂直方向の角度だけ変わりますね。これがPichです。
レンズについている手ぶれ補正の多くは、この2軸補正になります。
回転ぶれ(Roll)
先程の角度ぶれと違い、こちらはカメラの向きを固定した状態で回転した時の補正です。
撮影したい向きはそのまま、カメラ本体を横向きから縦向きに回転させるような動きを想像してください。そのブレを補正します。
X軸とY軸
並進ブレともいいます。
例えば、カメラを持ちがなら横に並行に移動する動きがX軸の並進ぶれ。
かがんだり立ち上がったりして縦に移動する動きがY軸の並進ぶれです。
写真は2軸、動画は5軸
で、本題ですが、写真を撮る場合には、基本はその場から動かずに構えて撮りますから、多くの場合はYawとPichの2軸補正で問題なく撮れます。つまりは、レンズ側についている手ぶれ補正で問題ありません。
ですが、動画においてはそれだけではダメです。自分が動きながら撮影するのは当たり前ですから、「回転ぶれ」や「並進ぶれ」は避けられません。なので、5軸の補正が必要になるわけです。 そして5軸の補正は、ボディ側に手ぶれ補正機能が付いていないといけません。レンズ側だけの補正で5軸というのは現在のところ、聞いたことがありません。
ボディ側に手ぶれ補正が付いていなからといって、絶対にダメというわけではありませんが、その場合は電動3軸ジンバル(スタビライザー)等を使って補うことが多いかと思います。
もう少し付け加えると、ジンバルに乗せるのが前提であっても、ボディ内手ぶれ補正があったほうが、より強力に手ぶれを抑えることができるので、ジンバルに乗せるから手ぶれ補正がいらないというわけでもありません。
少し前に検証動画を作っていますので、興味のある方はどうぞ。
Log撮影
▲Log撮影すると、コントラストが低い画になる(後から編集でカラーグレーディングし、色を付けていく作業が必要)。階調を保持できるので白飛びや黒つぶれが起きにくい。
動画をやらない人にとっては耳慣れない言葉かもしれません。僕も動画をやるまで知りませんでした。
大雑把に言うと、動画版のRAW現像のようなもの。撮った後から色味の調整をしやすくするための記録フォーマットです。 後からカラーグレーディングをするという一手間が必要となりますが、色飛びやバンディングが少ない、階調性が高い映像にすることができます。
具体的には、ソニーならS-Log、パナソニックならV-LogL、富士フイルムならF-Logなど。
カラーグレーディングは、映像制作において非常に楽しく、且つ奥が深い部分なので、映像をやるならば覚えておいたほうが間違いなく楽しくなる知識です。
そのためには、まずLog記録ができなければ話になりません。(Log以外でカラグレをやると、色が破綻しやすい。)
本格的に動画をやりたいならば、Log記録ができるかどうは必ずチェックしておいたほうが良いかと思います。
最近のミラーレス一眼でいうと、ソニーのα7シリーズ、α6500、α6300や、パナソニックGH4、GH5、富士フイルムのX-H1 などがLog記録に対応しています。
スローモーション撮影
大事なわりに、見落とされがちな機能です。
動きのある映像において、スローモーションは多用される手法です。CMなどを見れば一目瞭然です。ミュージックPVでもいいですし、映画の予告編でもいいです。
で、このスローモーション撮影をするためには、高フレームレートで撮影できるカメラ能力が必要です。
「120fpsで撮影可能!」とか聞いたことありませんか?
フレームレートというのは、1秒あたりのコマ数のことで、30fpsならば、1秒間に30コマあることになります。
このコマ数が増えれば増えるほど、スローな映像にすることができるということです。
僕が映像を作った経験上、スローモーションと言えるくらいの映像になるには最低でも120fps以上必要だと感じています。60fps程度じゃ全然足りません。
ですから、動画撮影に使いたいのであれば、最低120fpsで撮れることは、結構大事だと思います。
但し、単にスペック上で可能というだけではダメで、実用性があるかどうが重要だと思ってます。例えば、僕が持っているGH5は最大で180fpsまで撮影できるのですが、180fpsにするとノイズがひどくて使いにくいです。使用するレンズにも気を遣えばマシになるのでしょうが、僕がいつも使っている環境では120fpsが実用範囲という印象です。ここは僕の知識がまだ足りない部分もあるかもしれませんが、少なくとも仕様として記載されているスペックが、必ずしもそのまま信用はできないということです。
ちなみに、僕が最近撮った120fpsのスローモーション映像がありますので、参考までにどうぞ。
4K60pと10bit記録
この2つに対応しているのは、現在のところ、民生機のミラーレス一眼ではパナソニックのGH5だけですが、だからこそ話題になりました。
他社のカメラは4K30pが最大ですが、GH5では60pまでの滑らかな映像になります。
また、他社のカメラは8bit記録が最大ですが、GH5では10bitとなり、色表現の幅が広くなっています。
で、これって実際どうなの? 必要なの?って話ですが。
あるとやっぱりいいですよ。
60pで撮れると、30pの2倍のフレームレートです。何がいいかというと、ちょっとしたスロー映像が作れます。先程書いたスローモーション映像の120fpsにはもちろん及びませんが、使い方次第で幅が広がります。 説明がなかなか難しいのですが、スポーツ等の動きの激しい映像には向きませんが、例えば、雪がシンシンと降るのを少しだけスローにしてみたり、といった表現ができます。たったこれだけの手を加えるだけでも、印象がグッと変わったりしますから。
10bit記録については、正直、まだはっきりとした違いを自覚できていないのですが、カラグレの際には色の破綻が少ないと言われています。一度、10bitを体験すると、8bitに戻れないという話も聞いたり。 ですので、本当にこだわる場合には、重要な機能に思えます。
ただ、現実的には、これができるのは民生機では、まだGH5だけですから、逆に言うと、この違いを認識している人は少ないのが現状かと思います。
より深くこだわりたいならばGH5。
そこまでではなく、とりあえず一般的なレベルで楽しみたいならば、4K30pくらいの撮影ができるもの。
そういう切り分けでいいのかもしれません。
ピーキング機能
ピーキングとは、マニュアルフォーカス時に、フォーカスが合っている箇所に色が付く機能です。
動画撮影では、フォーカスはマニュアルで合わせることが多いです。何故かというと、オートにすると意図しないタイミングで勝手にフォーカスが変わることがあるからです。例えば、人を撮っている際に、別の人が前の横切って、そっちにフォーカスが移動してしまった、とか。
もちろん、シーンによってAFとMFを使い分けていくのですが、MFの使用頻度は静止画撮影の比じゃないくらい増えます。 その時にないと困るがのピーキング機能です。
でも、ピーキング機能自体は今のデジタルカメラであればほとんどの機種についているかと思われます。大事なのは、フォーカスが合っている箇所の色を変えられるかどうか。画面上ではっきりと分かるような色に変えられると、より使いやすくなります。 デフォルトの色だと見にくいこともあるんですよね。
なので、ピーキングの色を設定変更できるのは大事なのです。
高性能なAF
先程は、マニュアルフォーカスが多いとは書きましたが、そうは言っても、動きモノを撮影する場合にはどうしてもAFに頼らざるえない場合も多々あります。例えば、子供の撮影などはその最たるものです。動き回る子供をマニュアルで追うことは限りなく不可能に近いかと思います。
よく比較されるのは、ソニーとパナソニックのAF性能の差です。
この2社は動画にも力を入れているため、何かと比較されます。ソニーの像面位相差AFはよく食いつくのに対して、パナソニックの空間認識AFは食付きが弱く、一度フォーカスを外すとなかなかピントが合わない等と言われたりします。
AFの性能については、どのような映像を撮るかにもよるのですが、子供やスポーツ、野鳥、動物など、動く被写体を撮る場合には、像面位相差AFのほうが良いのが現状と言わざるを得ません。
あとは、その他の機能も含めて、総合的にどういう機能を求めるかによって、どのカメラが良いかを判断することになります。
ゼブラパターン、ヒストグラム表示
ゼブラパターン表示とは、白飛びがしそうな箇所を「縞々模様」で表示して教えてくれる機能。
ヒストグラム表示とは、映像の明暗を把握するための分布をグラフ表示してくれるもの。初めて聞く人は、なんのことやら分からないかもしれませんが、これもゼプラパターン同様、白飛びしているかどうかを確認するための目安と思ってよいです。
写真でもそうでしょうが、黒つぶれや白飛びなどを極力発生しないように撮ることが基本かと思います。で、写真と違って動画の場合は、絵が動くために白飛び等の状況が時間の経過とともに変わってくるということです。
撮る一瞬だけ注意すればいいのと違い、常に監視していないといけないことになります。これは液晶画面を目で見るだけでは捉えきれませんから、データとして機械的な判断ができるようにしておくことは、地味に重要なのです。
プロはもちろん、綺麗な映像を撮る人は、みんな気をつけているだろう重要な箇所です。
ただ、ヒストグラムまで表示できるのはGH5くらいかもしれません。ゼブラパターンは他機種でも表示できるものがあるかも。 HDMI端子があれば、外部モニターを取り付けることで対応できます(但し、そのモニターも10万円以上したりして、めちゃくちゃ高いのですが....。)。
動画用の機能は手ぶれ補正だけじゃないという事
細かいことを言えば、まだまだあるのですが、GH5固有の機能が多く、一般的ではないため省略します。
なにはともあれ。
一番言いたかったことは、「手ぶれ補正が全てじゃない」ということです。
冒頭で、「僕は動画撮影で OM-D E-M1 MarkⅡを使わない」と書きました。手ぶれ補正だけ考えれば、このカメラは最強といっていい能力を持っているのですが、なぜ動画で使わないのか。
それは、①Log撮影ができない、②スローモーション撮影ができない(最大で60pまでしかできない)、③ゼブラパターン、ヒストグラム表示ができない、④4K60pや10bit記録ができない、などの理由があるからです。(細かく言えば、更にありますが)
繰り返し言いますが、E-M1 MarkⅡがダメなわけではありません。スチルカメラとしては凄くいいですが、動画カメラとしては方向性が違うというだけです。
手ぶれ補正は大事な機能であるのですが、その他にもたくさん大事なことがありまして、それは実際に動画を撮っていかないとなかなか分からないものが多いのです。 一眼動画を趣味としている人が少ないのも相まって、まだまだ情報が少ないのですけれどもね。
とりあえず、最低限のことだけ書いてみました。
少しでもカメラ選びの参考になれば幸いです。
最後に、僕なりに、動画機のオススメ機種について感想を書いておきます。
(※最後にちょっと書こうと思ったのですが、予想以上に長文になりましたことを事前に書いておきます。)
パナソニック GH5
僕の今のメイン機です。
はっきり言って、めちゃくちゃイイです!
動画をやるなら、とりあえずこれを買っておけば間違いないというくらいのカメラだと思います。
上に書いた他にも、とにかく痒いところ全てに手が届くので、動画撮影においてやりたいことはほぼ全部できます。
細かい説明は省くとして、ざっと書くだけでもたくさんあります。
などなど。
動画をやらない人は何を言っているか分からないものもあるかもしれませんが。
とにかく動画撮影に関しては、どのメーカーよりも本気で取り組んでいるのがパナソニックというメーカーです。本当に凄い。
更に、マイクロフォーサーズはレンズのラインナップも最高。パナソニックだけじゃなく、オリンパスや他のサードパーティのレンズも使えますから、名玉揃いです。
難点がひとつあるとすれば、AFがちょっと弱いこと。動きものをメインに撮るならば、ソニーのほうが良いかもしれません。
ですが、そうじゃなければ、GH5は自信を持ってオススメできます。これを買っておけば、動画に関しては間違いありません。しかも写真機としても結構イケます。
パナソニック GH5S
2018年1月25日に発売されたばかりの最新機種。
一番の売りは「マイクロフォーサーズでありながら、フルサイズに匹敵するほどの高感度性能」です。
基本はGH5で、ボディ内5軸手ぶれ補正がなくなった代わりに、高感度に約2段分強くなったカメラです。
実際の映像を見てみましたが、本当にヤバイ。α7SⅡと正面から戦えるほどの性能を持ってます。マイクロフォーサーズなのに......。
動画寄りのカメラどころか、完全に「動画特化」の性能で、写真を撮るには向いていません。パナソニックさん、なんという尖ったカメラを出してくるんや.....。
お値段も約30万円と、ちょっと手を出しにくい価格なので、ガチプロ用カメラということですね。
趣味でやる人なら、GH5のほうが幸せになれると思いますが、このカメラでしか撮れない映像もあるのも事実。さぁ、どうする?
ソニー α6500
僕がGH5を買う前、最後まで迷いに迷った機種です。
小さくて軽くて高性能という、ソニーらしいミラーレス一眼。しかも、GH5はマイクロフォーサーズですが、こちらはAPS-Cですから高感度にも強い。
滑らかな映像を撮ろうと思ったら、ジンバルに乗せることになりますから、軽いというのは動画撮影において結構重要です。
具体的に比較すると、「GH5 & Leica 12-60」の総重量は1055gなのに対して、「α6500 & SELP18105G」の総重量は 890g。その差は165gです。
165gというのは大したことないように見えて、結構違います。ジンバル撮影ですと、3〜4時間は普通に撮影したりしますから、ずっと持って撮っているとジワリジワリと効いてきます。僕はレンズを Leica 12-60を使う前は、Olympus 12-100を使ってましたが、このレンズの重量差は241gありました。これ、本当に全然違うんですよ。Leica12-60にしてから、撮影がグッと楽になりましたから。
動画撮影において、軽いのはやっぱり正義です。
加えて、像面位相差AFによる快速フォーカス。ここはソニーの得意分野です。(自分では使っていないので、あくまで評判を聞いた上での話ですが。)
そんなソニーでも、やはり弱点というのはあって、常に言われるのが熱問題と耐久性。 機体を小型化することによって、熱を持ちやすくなっているのか、高画質で長い時間撮ればとるほど熱を持ちやすく、長時間の撮影には向いていません。 雨や寒さにも強いとは言えず、公式サイトでも「防塵・防滴に配慮した設計」という表現となっています。あくまで「配慮した設計」です。このあたりはパナやオリに比べると、少し不安が残ります。
その他、ピクチャープロファイルといって、PP1〜10まで10種類の設定があり、PP6以降がLog撮影にあたるようですね。パナソニックはV-LogLなど1種類のLogしかないのに対して、ソニーはPP7(S-Log1)〜PP9(S-Log3)といったように、Log撮影の種類だけでも3つあるようです(実際に使ったことはないので、細かな違いまではわかりませんが)。
小さくて、軽くて、AFも早くて、Log撮影もできて、ボディ内5軸手ぶれ補正もあって、APS-Cで、などなど、動画において必要な機能はひととおり揃っています。
価格も、GH5が約20万円なのに対して、α6500は約13万円。コスパにも優れた良いカメラだと思います。
あ、更にもうひとつ。
とても評判の良いレンズがあるのも特徴。「SELP18105G」という動画用レンズ。
18-105mm(35mm換算で 27-158mm)という高倍率ズームで、F4どおしの万能レンズ。更にインナーズームなので、レンズが伸縮せず、ジンバルに乗せても重心が安定してブレにくい。
これでお値段が約5.7万円というコスパ。このレンズがあるのも、α6500が人気の理由かもしれません。
ソニー α7SⅡ
言わずと知れた、暗所番長。最近はGH5Sの発売により、オンリーワンではなくなりましたが、今年はα7SⅢも発売が噂されています。
フルサイズセンサーなのにも関わらず、有効画素数を約1220万画素に抑えることによって、ISO409600という、もう笑うしかないような超高感度性能を有しているのが特徴です。
1220万画素って、写真で考えると大したことがないのですが、動画においては十分な画素数です。
なぜならば、今の高画質の主流である4Kは、画素でいったら3840 x 2160の800万画素の映像のこと。800万画素ですよ。
ですから、4K動画を撮るには1220万画素というのは十分すぎる画素数なのです。それよりも、画素を少なくすることにより、1画素あたりに取り込める光の量を増やせることで高感度に強くなるほうが価値があるという考え方のカメラです。
写真ももちろん高感度に強くて綺麗に撮れますが、やはり動画でこそ本領を発揮するカメラではないでしょうか。
特徴としては、α6500の上位版という感じで、センサーサイズによる高感度性能以外は、おおまかなところは同じ感じです。
一番の難点は、やはり価格でしょうか。本体だけで約28万円するし、更にレンズもすべて高いし重い。まぁ、フルサイズの宿命みたいなものでしょうか。
それでもなお、それ以上の魅力があるカメラなので、映像を撮る方には人気があるカメラです。
富士フイルム X-H1
最後にちょっとだけ、最近発表された富士フイルムの動画機 X-H1 についての感想を。
動画機として、どうなのよ?という感想ですが、とても良さそうだと思います。4K60pや10bit記録はありませんが、上に書いたようなおおよその動画機能は盛り込まれています。①手ぶれ補正は強力そうだし、②F-LogというLog撮影もできるし、③120fpsのスローモーション撮影もできるし、④ピーキング表示もできるはず(T2でできるので、たぶんできる。色の変更まではわかりませんが。)。
何より、富士フイルムの一番の特徴である「富士の色味」で動画が撮影できるのが、とても良さそうですね。シネマ用のフィルムシミュレーション「ETERNA」(エテルナ)も実際の映像を見ましたが、発色が素晴らしく美しいです。
富士の場合、フィルムシミュレーションがあるので、Log撮影してのカラーグレーディングというものが、はたして必要かどうかという新しい考えもでてきます。むしろ、色味はいじらずにそのままのほうが良かったりして。写真でもJPEG撮って出しで綺麗なのと同じく、映像でもそうなる可能性は大きいですね。
反面、カラグレの楽しみがなくなって、少し物足りない部分もあるのかも、と逆の感想もあったりします。
僕は以前、富士フイルムのカメラを使っていたので(X-T1、X70)、富士の良さはとても分かりますし、とても購買欲をそそるカメラだなぁと思います。ただ、MFTにマウント変更する際、資金繰りのためにレンズもすべて売却してしまったため、X-H1を買うとなるとまたレンズから買わねばならず、資金が全然足りません。お金がいくらでもあれば、めっちゃ欲しい......って、誰でもそうか。
X-H1は厳密に言えば、動画機としてはまだもう少し機能として足りない部分もあるのですが、写真を撮ることをメインとしつつ、動画もやってみたいという場合においては、とても魅力的なカメラです。
今までは、動画向けのミラーレス一眼といえば、ソニーかパナソニックの二択で、α7SⅡ、α6500、α6300、GH5、GH4がオススメという感じだったのですが、今後はその中に富士フイルムという名前も入ってくるほどのスペックは持っていると思います。(まだ実機を触っていませんし、実際に使ったレビュー等も多くないので、あくまで予想ではありますが)
どんどん競い合って、市場が活発になれば、ユーザーの一人としても嬉しいです。
以上です!