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BMPCC 4K(Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K)が発表! 凄い動画カメラだけど、クセが強い!

先日、放送メディアの総合イベントであるNAB2018で、動画ファンが唸るカメラが発表されました。

動画界では言わずと知れたBlackmagic社の動画用カメラ「BMPCC 4K(Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K)」が、それです。

ざっくり言うと、動画特化のミーラレス一眼である「Panasonic GH5S」に似た性能のカメラが15万円ほどで買えてしまうというもの。

すごいですね。

 
SS20180414a

 

BMPCC 4Kの凄いところ

Blackmagic Pocket Cinema Camera - 仕様 | Blackmagic Design

 
おおよそのスペックをGH5S等と比べてみましょうか。

 

  BMPCC4K GH5S GH5
価格 約15万円 約28万円 約20万円
センサー m4/3 m4/3 m4/3
画素数 約800万 1193万 2177万
ISO 200-25600 160-51200 200-12800
デュアル
ネイティブISO
ボディ内手ぶれ補正
ダイナミックレンジ 13ストップ 12ストップ 12ストップ
モニター 5インチ 3.2インチ 3.2インチ
フレームレート
特徴的なもの
4K60
FHD120p
4K60p、C4K60p
FHD240p
4K60p
FHD180p
防塵防滴
使用可能温度 0° 〜 40° C -10~40 ℃ -10~40 ℃
重量 700gくらい? 660g 725g

 
スベックだけ比べると、凄い性能。まさに動画専用カメラで、余計なものは削ぎ落として、必要なものだけ付けた感じ。

これで15万円ですから。

しかも、この15万円というのは、編集ソフトDaVinci Resolve Studioが同梱されての価格。DaVinnciはカラーグレーディングでは大定番のソフトでして、これだけでも36,000円ほどします。僕は、これを普通に購入しました。

持ってない人であれば、実質11万4000円という価格。

すごい。

 

良さそうな点

デュアルネイティブISO搭載

少し前にGH5Sに搭載されて話題になった内容です。これによって高感度耐性が強化されて、暗いシーンでもISO感度を上げて撮影できます。暗所ノイズに強いってこと。

ダイナミックレンジが13ストップ

すごい。
階調表現の幅がとても広い。 GH5SのV-LogLですら12ストップですが、更に1段階上の階調表現力を持っています。

5インチモニター

GH5Sは3.2インチです。一眼カメラではこのあたりが当たり前と思っていましたが、5インチとは。
比較するならば、iPhone7が4.7インチで、iPhone7 Plusが5.5インチですから、その中間くらいのサイズ。
動画撮影では液晶モニターでの確認は大事で、フォーカスがきちんと合っているか等の確認が格段にしやすくなります。プロユースであれば、10万円以上する外部モニターを取り付けるのが当たり前の世界。5インチあれば、それも不要かも?

端子が豊富

フルサイズHDMI、マイク用にミニXLR、3.5mmマイク入力などに加えて、USB-Cポートまで付いているので、外付けSSDなどに直接保存することも可能。YouTuberには特にありがたいかも?

内蔵マイクの性能が良さそう

レンズの両脇に大きめの内蔵マイクが2つ装備されています。クチが大きいから性能が良いかどうかは別ですが、ちゃっちいマイクではなさそうな印象。

 

悪そうな点

価格とスペックのインパクトが凄いので、短所に気づきにくいですが、ちょっとずつ情報が入ってきました。

というか、こちらの方がほとんど指摘してくれております。

とても参考になる内容でした。

sakai-filmworks.net

 

AFは使えないレベルかも?

あくまでこれまでのBlackmagic社の傾向による予測でしょうが、まぁ確かに動画撮影はMFが基本なので、最初から捨ててるのかもしれません。
プロならば、それで全然いいのでしょうね。
僕の場合は、GH5SのAFには助けられるシーンは意外とあります。

バッテリーの保ちが弱いかも?

これもBlackmagic社の傾向らしいです。
1時間くらいいけるみたいですが、予備バッテリー等は他のカメラよりも多めに用意しなければならないってことですかね。
バッテリーって、少なくなってくると気になって撮影に集中できなくなるので、あまり弱いと困るのは確か。

記録メディアにお金がかかる

これ、上の記事を読むまで気づきませんでしたが、BMPCC 4Kの記録方式は、RroResとRAW。これはどちらも高画質での保存ができる方式なのですが、そのぶん容量がバカでかくなるみたい。写真でもRAWファイルがでかいように、動画でも同じことが言えるとのこと。
ざっくり言うと、4KをProResで撮った場合、15分くらいで64GBが埋まるレベルだそうで。これが12bitRAWだと、4Kは4分で64GB。ひどい。これはひどい。
せっかく本体とレンズで費用を抑えても、記録媒体でかなりお金がかかりそう。すでに持ってる人ならともかく、新規に買う人は要注意ですねぇ。
最高品質で撮るなら、CFastという規格のカードを買う必要があるようですが、128GBで5万円とかですって。

 

すごいけど、クセが強い!

SS20180414b

ということで、タイトルの感想になったわけです。

性能だけ高くて価格が安いわけはないですものね。削れるところは削った上で、特定の用途でがっちり使えるように作られたカメラなのだと思います。

プロなら買う人は多そうだなぁ。記録メディアもすでに持ってそうだし、小さなシステムでRAW撮影ができるだけでもニーズがありそうな印象です。

逆に、趣味ユーザーが下手に買うと失敗しそうな気もします。 僕が一番気になるのは、やはり記録形式でH.264が選べないので、保存のためのHDDがとんでもなくお金かかりそう。 というか、今現在ですらカツカツでやっているというのに、これ以上ファイル容量が大きくなるとかキツすぎます。
この一点だけで、僕は購入をためらってしまうレベル。
GH5Sを持っていなかったとしても、購入に踏み切れないかもしれません。

ただ、このカメラの発表自体はとても興味深いというか、嬉しく感じてます。 カメラが写真を撮るだけのものではなく、動画専用の物も増えてきたわけですから。

このカメラが世に出ることで、例えば、モニターの大画面化が広まるかもしれないし、デュアルネイティブISOがより身近なエントリー機種に乗るかもしれません。

そうやって、いろんな特徴を持ったカメラがどんどん出てくることによって、僕の財布もどんどんお金がなくなって..........。

やっぱりちょっと困る........。