とうとう国内でも正式発表されました、パナソニックのフルサイズカメラ『LUMIX S1H』。
買える予定は全くないのですが、パナユーザーとしてはスペックを確認しながら外観を眺めるだけでもご飯が食えるというものです。
しかしながら。
今回は本当にスペックモンスター過ぎて、理解が追いついておりませぬため、自分の整理も含めて記事を書こうと思います。
フルサイズ一眼カメラ DC-S1H
基本的には、公式サイトを見て頂ければいいのですが。
ただね、もうプロ向け過ぎて、書いてあることの半分も理解できない世界なわけです。多少かじってる僕でもこのありさまですから、ライトユーザー未満には、ほぼ呪文のようにしか見えないのでは。
公式サイトに飛ぶと、まずある画像がこれですよ。デュアルISOの説明画像なのですが、つまり、これを見て、すぐに理解できる層に作ったカメラだということです。
なんとなくは理解できる。まぁ、要は、明るさを解析して適切なISO回路を使用することで、ノイズを少なくしますってことなのでしょう。もともと、多少の理解があったので、逆算して見ることができましたが、最初の説明でこれがくるのは、なかなかコアですよね。「ゲインアンプ」と普通に表現してくるとか、どうなってるんすか。
14ストップ V Logのガンマカーブ
次がこれですよ。
『14ストップ V Logのガンマカーブ』と言われても、素人にはなんのこっちゃという事なのです。
分かる範囲で書くと、横軸はストップ数で、これが広いほどダイナミックレンジが広いという事は分かる。横軸の0が18% グレーというのも聞いたことがある。何?よく分からない? 大丈夫、ワタシもよく分からない。たぶん、真っ黒と真っ白のちょうどいい中間色がグレーで、そのグレーの色の濃さ具合が18%ということだと思う。(違ったら誰か指摘してください)
なんとなく理解しているのは、マイナス側が暗部で、プラス側が明部(?)であることで、図中では、GH5Sでは明るい部分の表現力が+4ストップしかなかったところ、さらに+2.5ストップほど表現できるようになっているってことですかね。
もう少し理解しているところを書くと、縦軸は10bitのコードバリュー。はい、画面を閉じない。閉じてはいけない。もう少し読むんだ。
例えば、1bit で表現できるコード数は、0と1の2種類だけ。
2bitなら2桁になるから、00、01、10、11の4種類。
10bitなら10桁になるから、2の10乗で 1024種類。これが図の縦軸。
逆に言うと、8bitだと256なので、図でいうと、表現力が4分の1になっちゃう。色情報が1024パターンなのと、256パターンなのではそういう差があります。色のグラデーションを作る場合、表現できる色の種類が多ければ多いほど、滑らかな描写になりますね。今の民生カメラはほとんど8bit なので、パナソニックがいかに変態なのか分かるというものです。
もう少し知っていることを書くと、暗部に使っている情報量は、縦軸の120〜256あたりで、明るい部分(640〜960あたり)に比べて情報量(使っている範囲)が少ないので、色の破綻がおきやすいし、ノイズも浮きやすいのでございますね。でも暗部の情報量を多くしようすれば、明るい部分の情報量が少なくなるので白飛びしやすいのですね。このあたりはどこを重視するかで、カメラを趣味にしている人なら、自然と考えて撮っているかと思います。
右の図は、色域なので、目にする機会もあるかも? PCモニターの仕様なんかでも出てきますし、AdobeRGBとsRGBの違いを比べる場合にも見かけます。ただ、この図は僕も正直よく分かりません。比較対象がなんなのか分かっていないのもありますが、なんとなくV-Gamut は凄いんだなぁ程度の理解しかありません。
整理すると、S1Hのダイナミックレンジは明るい箇所の表現力が2ストップ向上したということでしょうか。違ってたら指摘してください。(再)
豊富な動画記録モード
で、これですよ。
「豊富な動画記録モード」の種類を図解してくれているのですが、S1H は数が多すぎて、もうなんのことやら全然分かりません。
言いたいのは、6K24p や 4K60p で撮影できますが、撮像素子の使い方がいろいろで、場合によっていはAPS-C(スーパー35mm)にクロップされますよ、ってことなのですが。
仕様を見てもわけが分からなかったので、仕様を確認しながら表にしてみました。
これでもまだちゃんと整理しきれていませんが、いくらかマシになったはず。
分かるのは、
- 6Kにもいくつか種類がある。
- 6K24pは、3:2 で撮れる。
- 5.9K24pは、16:9 で撮れる。
- 6K30pは、16:9のみ。
- 3:2で6K30pは取れず、5.4K30pになる。
- 4K60pはフルサイズ全域では撮れず、APS-Cクロップになる。
- 4K60pは、16:9(4K) と 17:9(C4K) で撮れる。
ここまで多いと、本当にわけが分からないですね。でも、聞くところによると、よく使う記録方式だけ表示させたり、絞り込んで表示もできるようなので、実際に使い出すと混乱まではしないかもしれません。
あと、同じ10bitでも4:2:2 と 4:2:0 があります。あまり詳しくないので詳細には書けませんが、サンプリング時のデータ圧縮の違いで、4:2:0のほうが圧縮が大きいために少し画質が犠牲になります。8bitよりも情報量は多いですが。
ローパスフィルター搭載
ローパスフィルター搭載によって、解像感は落ちるものの、モアレが少ない映像になるとの事。写真では、ローパスフィルターがないほうが良しとされているように感じます。解像感があったほうが綺麗に見えることが多いのでしょう。
S1H が発表された時、S1 との差別化はなんだろう? ただの上位互換? と思っていましたが、ここで差を付けてきましたか、という感じ。
僕は正直、この「あり」「なし」で、どこまで差がつくのか分かっていません。というか、聞く所によると、キヤノンはローパスありを原則としているとか? どちらがより綺麗なのかは、見る人によって変わるということでしょうか。
写真機として使った場合、S1 と S1H でどういう差が出るのか、見てみたいです。
新チルトフリーアングル機構
これも驚きました。
チルトとバリアングルを両方入れてしまったという。
これは単に両方入れたというだけでなく、上の図のようにチルトしながらバリアングル展開した場合、カメラ本体に挿したケーブル類と干渉しないという利点があります。現場からの意見をきちんと吸い上げているなぁと感心します。
ちょっとした所なのですが、パナソニックのカメラは、こういう小さな利便性が各所にあるので、一度使い慣れてしまうと他のカメラに行きにくくなるんですよね。恐るべし改善の積み重ね。
タリーランプ搭載
タリーランプとは、録画中のカメラが赤く点灯することで、どのカメラで撮影されているか、被写体側にも分かるようにするものだそうです。(知らなかったので調べました。)
マニアックなものが付いてますねぇ。ほんとにプロ向けです。
まぁ、ね。お値段もそもそもプロ向けですしね。
放熱ファンを搭載
すごいですよね。フルサイズカメラで初搭載のようです。フルサイズで動画を撮ろうとすると、必要ということなのですね。
しかもファン自体も防水ファンだそうで、カメラ本体としての「防塵・防滴、耐低温」は、しっかり維持されています。これも凄い。そのぶんボディは大きく重くなってしまいましたが、この能力なら納得です。
まとめ
凄いですねぇ、LUMIX S1H。
お値段も凄くて、50万円前後とのこと。まぁ、買えませんね。
憧れはありますが、GH5Sですら使いこなせていない僕が買っても、ただの自己満になってしまうくらいの性能です。
最近は、画質を追いかけてもキリがないなぁという思いがあって、今ある機材でできることをもう少し工夫してみるか、という気になっております。というか、むしろ iPhoneとか使って、より気軽に撮ってみるかな、とか。
もちろん使ってみたいですけどねぇ。
お金だけどんどんなくなっていきますのでね。
マイクロフォーサーズでがんばっていこうと思います。